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今期ラストの出店! 「池袋」駅近くにオープンの「マルエツプチ上池袋二丁目店」開店日レポート

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長:以下、U.S.M.H)傘下のマルエツ(同/古瀬良多社長)は2023年1月26日、東京都豊島区に都市型食品スーパー(SM)「マルエツプチ上池袋二丁目店」を開店した。マルエツ今期ラストの新店となる上池袋二丁目店の出店のねらい、売場の様子をレポートする。

【店舗概要】
住所:〒170-0012 東京都豊島区上池袋2-15-17
東武東上線「北池袋」駅から徒歩約9分、「池袋」駅から徒歩約11分
電話:03-3917-7771
売場面積:89.3坪
SKU数:4734(青果:226、鮮魚:116、精肉:120、日配品:1000、一般食品(酒類・たばこ含む):2466、総菜:186、ベーカリー:20、日用品:600)
営業時間:9:00~22:00

10~40代、単身世帯が多く住むエリアに出店

「マルエツプチ上池袋二丁目店」

  マルエツは売場面積40150坪の都市型スーパーマーケット「マルエツプチ」業態を、都内中心に展開している。同社は126日、同業態から「マルエツプチ上池袋二丁目店」(以下、上池袋二丁目店)を新規オープンした。

 上池袋二丁目店は、交通量の多い「明治通り」沿いに建つ新築マンションの1階に入る。商圏とする店舗から半径300m以内の特性を見てみると、世帯人員別比率では単身世帯が約69%を占め、年齢別では10代半ば~40代半ばの比率が高い。

 近隣の競合店としては、「池袋」駅方面に向かって約250m離れた位置にG-7リコス・ストアズ(兵庫県)が運営するミニスーパー「リコス東池袋2丁目店」、反対側の「西巣鴨」駅方面には約250m離れて「業務スーパー上池袋店」がある。

 マルエツの広報担当は、「上池袋二丁目店付近はSMがそれほどあるわけではないが、近隣はコンビニが多く出店しているエリアだ。売場づくりはコンビニとの差別化を念頭に置いている」と説明する。

 上池袋二丁目店の売場構成比は、青果が18%、精肉が11.5%、鮮魚が4.5%、日配品が23.4%、一般食品が19.6%、酒類・たばこが6.7% 、総菜が13%、ベーカリーが0.8%、生活用品が2.5%となっている。平均的な店舗と比べて鮮魚の構成比が低く、精肉が高いのが特徴だという。「若者の魚離れ」により肉を多く食べる傾向が強い若年層に向けて精肉売場を広げ、その影響で鮮魚売場の縮小に至ったようだ。

 ほかにも若年層に向けた売場づくりとして、簡便・即食を訴求する。総菜売場では、電子レンジで簡単に調理できる総菜シリーズ「おつまMEAT」を販売。「タンドリーチキン」(税込321円)や「骨なしスペアリブ山賊味」(同502円)などをラインナップする。

総菜シリーズ「おつまMEAT」
総菜・弁当売場では、厚切りの鮭を入れた弁当や、種類豊富な「窯焼ピッツァ」などを並べる。

 冷凍食品売場でも同様に、若年層のニーズを勘案し、食卓用おかず商品の品目を絞り、パスタや米飯などの主食商品を増やしている。ほかにも若者に人気の韓国料理をコーナー化し、「韓国キムチチヂミ」(同537円)などを陳列する。

主食商品や簡便商品を多めに販売する冷凍食品売場
冷凍食品売場の「アジアン」コーナー

 また、冷凍食品売場では生鮮商品を強化する。冷凍の野菜、果実、精肉、鮮魚などを販売するほか、えんどう豆のたんぱく質を主原料とする「ビヨンド・ビーフ」も揃えていた。

冷凍野菜・果実
ビヨンド・ビーフ

「健康」「顧客の若返り」をテーマにした取り組み

 続いて、そのほかの売場づくりの工夫や、店舗の取り組みを見ていこう。

 マルエツは「健康」の提案に力を入れている。マルエツがPOPに使用する「もっとカラダにイイコト!」アイコンは、上池袋二丁目店においても採用している。売場各所に陳列する特定の加工食品や菓子などに同POPを用いて「トクホ」「カルシウム」「小麦不使用」などを訴求する。

「もっとカラダにイイコト!」アイコン

 小型フォーマットで作業場の面積が限られることから、生鮮食品(青果を除く)の供給では、近隣の店舗から配送する「サテライト供給」も活用する。たとえば鮮魚は「マルエツ浮間舟渡店」(東京都板橋区)から、総菜は「マルエツプチ東池袋五丁目店」(東京都豊島区)から、1日2便でそれぞれ供給する。

 USMHグループが推進するスマホ決済アプリ「Scan&Go Ignica(スキャンアンドゴー・イグニカ)」(以下、Scan&Go)の利用促進にも力を入れる。同店では有人レジを1台、フルセルフレジを4台設置するが、Scan&Goでの決済を推奨している。同アプリを使えばレジを通さずに商品登録ができ、そのままアプリ内で決済することも可能だ。

 上池袋二丁目店ではScan&Go利用率5%を目標に設定するが、全店の平均利用率は現状2%に留まる。広報担当は「目標にはまだまだ遠い」としながらも「レジ待ち時間の解消につなげたい」と話す。

 Scan&Go以外にも、お客の利便性向上のため各種サービスの導入を予定する。宅配便ロッカーの「PUDOステーション」「Amazon Hubロッカー」の店内設置を2月に予定するほか、「Uber Eats」による配達も26日から開始予定だ。

 マルエツは2022年に「健康」「顧客の若返り」という2つのテーマを今後の事業戦略の軸に据えると発表した。広報担当は「若年層が多く来店する上池袋二丁目店においてはとくに『顧客の若返り』というテーマを体現したい」と話す。