12月10日、イオンマーケット(東京都/乾哲也社長)が東京都稲城市に「ピーコックストア稲城長沼店」を出店した。イオンタウン(千葉県/加藤久誠社長)運営の近隣型ショッピングセンター(NSC)「イオンタウン稲城長沼」の核店舗で、2017年12月開業の「ピーコックストア豊四季台店」(千葉県柏市)以来、2年ぶりの新規出店なる。13年4月のイオン(千葉県/岡田元也社長)グループ入りから6年超。最新の「ピーコックストア」では、どのような売場づくりをしているのか――。
高品質と低価格の両面を訴求
「ピーコックストア稲城長沼店」は、JR南武線「稲城長沼」駅から東へ徒歩3分、地域の主要道路である川崎街道沿いに位置する。イオンマーケットとしては、東京都稲城市への出店は初めてで、全体では38店舗目の出店となる。売場面積は約417坪と同社の標準店よりもやや広く、SKU数は1万2400を揃えている。
基本商圏とするクルマで10分圏内には、約3万8300世帯/約8万5000人が居住する。商圏内の人口は増加傾向にあり、30~50代の複数人世帯が多い地域だ。
競争環境としては、周辺にSCはないものの、競合店は少なくない。「稲城長沼」駅前に「FUJI稲城長沼駅前店」「グルメシティ稲城長沼店」があるほか、南へ1.4㎞に「ヤオコー稲城南山店」が店を構える。
「ピーコックが得意とする質のよい商品を揃えながらも、30~50代の層が好む背伸びしすぎないちょっといいものを提供していきたい」(岩崎尚也店長)。同社としては、ピーコックらしさを訴求すると同時に、イオングループの低価格プライベートブランド(PB)「トップバリュベストプライス」の商品も揃えて足元のお客のニーズに対応していく。
ここからは、写真とともに売場を見ていく。入口を入ると、旬の果物を最前面に陳列した青果売場がある。1列目の平台にはミカン、2列目にはイチゴを揃えて彩りを出し、季節感が感じられる売場としている。
また野菜では、イオングループのプライベートブランド「トップバリュ」の「グリーンアイオーガニック」のオーガニック野菜を揃える。ニンジンやジャガイモなどの定番の野菜のほか、「サラダリーフ2種とミニ根菜3種」などセット野菜も陳列し、健康志向のお客向けに1つのコーナーで展開している。
店舗奥へ進むと鮮魚売場があり、ガラス張りのオープンキッチンで対面販売をしている。「和歌山県産真あじ」(本体価格328円)、「青森県産めばる」(同980円)、「長崎県産皮はぎ」(同1980円)など質にこだわった丸物を豊富に揃える。また、週末には「まぐろの解体実演販売」を 実施する予定で、来店動機を創出したい考えだ。 。
続く精肉売場では「青森県産純輝鶏もも肉」(100g/128円)、「国産やまと豚小間切れ」(100g/158円)、「北海道産佐幌高原牛ばら焼き肉用」(100g/880円)といった品質にこだわった銘柄肉を揃えている。。
総菜売場では、同社の標準よりも売場面積を広くとり、「おかずを楽しむ洋風弁当」(同498円)、「熟成三元豚ロースとんかつ使用のかつ重」(398円)といった弁当のほか、少量パックのおかずなども豊富に揃えている。また、本場の味をお客に提供するため中華総菜専門店「香味楼」がテナントとして入っている。 「マーボー豆腐」(同198円)、「チンジャオロース」(同398円)など定番の中華総菜のほか、「酢豚目玉焼丼」「中華弁当」(各、同398円)といった丼物や弁当も揃える。
総菜売場の隣には、インストアベーカリーを設けており、ピーコックストア直営では4店舗目だという。「イオンスタイル」をはじめとするイオングループ食品スーパーで導入している小型オーブンを店内に設置して、焼き立てのパンを21SKU提供する。価格は100円~150円程度と手ごろな価格を意識している。
稲城長沼店では、「ちょっといいもの」と「安さ」の両軸で商品を揃え、足元の需要に応えていく。また、NSCとしても「足元商圏からの利用客を確実に取り込み、NSC全体として年間180万人の来客をめざす」(加藤久誠社長)。
(店舗概要)
店名 ピーコックストア稲城長沼店
営業時間 9:00-22:45
所在地 東京都稲城市東長沼1212-1
店長 岩崎尚也
敷地面積 約8795㎡(SC)
売場面積 約1380㎡
構造 鉄骨2階建て(SC)
総取り扱い品目数 1万2400SKU
駐車台数 165台(SC全体)
駐輪台数 278台(SC全体)
従業員数 90人(うち正社員・契約社員14人)