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ダイエー屋号としては約4年半ぶりの出店! 「ダイエー豊洲店」レポート

ダイエー(東京都/西峠泰男社長)は4月1日、東京都江東区に「ダイエー豊洲店」(以下、豊洲店)をオープンした。ダイエー屋号としては約4年半ぶりの出店となる同店ではどのような店づくりをしているのか。開店日の模様をレポートする。

ダイエー豊洲店の外観

新築タワーマンションの敷地内に出店!

 ダイエーが4月1日にオープンした豊洲店は、東京メトロ有楽町線、ゆりかもめ「豊洲」駅から徒歩5分の場所にある。関東79店舗目、全体では203店舗目、ダイエー屋号としては「ダイエー住ノ江駅前店」(大阪市住之江区、2017年10月開業)以来、約4年半ぶりの出店となる。

 同店がある「豊洲」駅周辺は、再開発が進みタワーマンションが建ち並ぶことでも有名なエリア。豊洲店も東急不動産らが開発する地上48階建て、総戸数約1200戸の新築タワーマンションの敷地内に出店している(マンション1階部分ではなく、敷地内に単独店として出店)。ダイエー広報によれば、同マンションの平均価格は約8700万円ですでに完売、22年3月から入居がスタートしているという。

 店舗から半径1km圏内には約2万2000世帯/5万2000人が居住する。世代別人口構成では30~40代が多く、タワーマンションが建ち並ぶ立地特性からわかるとおり、所得も高い。そのほか子育て世帯が多いのも特徴で、店舗が立地する豊洲5丁目と隣接する豊洲6丁目だけでみれば、9歳以下で全体の約2割を占める。人口の密集度、そして将来性も含め、極めて豊かな商圏と言っていい。

 豊洲店の売場面積は約299坪。ダイエーでは都市立地で展開する小商圏型の約300坪タイプと、広域から集客する中大型商業施設内に出店する約600坪タイプと2つの標準フォーマットを展開しており、豊洲店は前者にあたる。取り扱い品目数は約8060と、300坪タイプでは標準並みとなっている。

健康志向・環境配慮型の商品が充実!

 豊洲店の売場では、都心エリアに在住する感度の高い消費者をねらった商品政策(MD)が多くみられた。写真とともに特徴的だったMDを見ていこう。

 導入部の青果売場では、健康志向の強い消費者が多いという想定のもと各種オーガニック野菜を充実させている。同コーナーの横には温度・湿度・空調などがすべて管理された環境で栽培された、農薬不使用の「工場野菜」も販売する。

青果売場ではオーガニック野菜を充実させている

 ダイエーの分析によれば、商圏内の半数は共働き世帯とのことで、毎日忙しく過ごす人々に向けた簡便商品を充実させているのも豊洲店の特徴だ。精肉売場では味付け肉やレンジアップ商品を多く揃えていた。

精肉では味付け肉やレンジアップ商材など簡便を切り口とした商品を豊富に揃える

 冷凍食品を標準よりも売場を広げて展開する。お皿を用意しなくてもそのまま食べることができるトレー付きの冷凍プレートや、自宅で焼きたてのような味わいを楽しめる冷凍パンなど約400品目の冷凍食品をラインアップする。

子育てで忙しい世帯を想定し、冷凍食品を強化

 冷凍食品と同様に、総菜も忙しい世帯を想定し、広くスペースを割いている。発芽玄米入りを使ったおにぎりや十六穀ご飯を使用した弁当、大豆ミートをはじめ植物由来の原料を使用したヘルシーメニューなど、「健康」を切り口とした商品が目立つ。

インストアベーカリーでは低糖質パンを販売
総菜も強化部門の1つ。健康志向に応える商品が目を引く

 そのほか、環境に配慮した商品の提案にも力を入れる。串を刺さないことでゴミ削減をめざす、「串の無い焼鳥」はその一例だ。

串を刺さないことでゴミ削減を実現する、「串の無い」焼鳥

 さらに豊洲店は今後、食品廃棄物の削減をめざし、家庭内で消費されずに残っている未開封かつ賞味期限内の加工食品を店頭で集め、フードバンク団体に寄付する「フードドライブ」にも5月から取り組むとしている。こうした環境配慮の数々の取り組みに対し、都心に居住する感度の高いお客はどう反応するかが注視される。以上のような取り組みにより、豊洲店では年商14億円の達成をめざす。

(店舗概要)
開店日 2022年4月1日
所在地 東京都江東区豊洲5-1-6
店長 草間和義
営業時間 7:00~24:00
店舗面積 299坪
取り扱い品目数 約8060
年商目標 約14億円
駐車台数 6台
駐輪台数 58台
従業員 正社員12人、パート・アルバイト20人(8時間換算)