健康やSDGs(持続可能な開発目標)に関する意識の高まりにより、プラントベースドフード(植物由来食品)への注目が集まっている。しかし食品スーパー(SM)をはじめとした食品小売店ではなかなか大きな売上にむすびついていないのが現状だ。そんななかスタートアップ企業のTWO(東京都/東義和CEO)は、ユニークなアプローチでプラントベースドフード市場の開拓を図っている。
入浴剤のヒットメーカーが食品市場に参入した理由
TWOは2021年4月15日、プラントベースドフードの新ブランド「2foods(トゥーフーズ)」を立ち上げるとともに、健康に配慮したメニューを提供するカフェ「2foods」を、商業施設「渋谷ロフト」(東京都渋谷区)と複合高層ビル「アークヒルズ」(東京都港区)内に出店。さらに、東京都・人形町に、セントラルキッチンを兼ね備えたテイクアウト専門の路面店も同時オープンした。
15年12月設立のTWOは、人々の心身両面の健やかさをサポートするウェルビーイング事業を展開する。同社が最初に手掛けた入浴剤「薬用 BARTH 中性重炭酸入浴剤」は、健康維持など多くの効能があるとされるドイツの泉質「中性重炭酸泉」の研究による商品開発で注目され、17年の販売開始から3年で売上高が10倍以上に伸張。その後も毎年200%を超す売上成長率を記録する大ヒット商品だ。
そんなTWOが次にねらいを定めたのがプラントベースドフード市場であった。「自動車産業におけるEV(電気自動車)のように、食品という巨大産業に新しい風が吹き、いずれはプラントベースドフードが主流になる可能性がある。これは1世紀に1度起こるか起こらないかの好機だ」とTWOの東義和CEOは語る。
植物性食品を原料とする代替肉に代表されるプラントベースフードの市場は、この数年目覚ましく成長している。TPCマーケティングリサーチ(大阪府)の調査によると、20年度の国内市場規模は10年度比で500%に達した。とはいえ、まだその額は250億円ほどと、市場規模は決して大きくはない。こうしたなかTWOは新たなコンセプトを提案することで市場を大きく開拓したい考えだ。
そこで同社が試みているのが、
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