韓国料理の中で人気の高いスンドゥブ。家庭で手軽につくれるスンドゥブの素も年々、売上拡大を続けている。認知率は高いものの喫食経験率はまだまだ低く、拡大する余地があるため、各社では食べ方提案などで間口・奥行きの拡大を図っている。
丸大食品「スンドゥブ」マイルド・辛口でシェア5割弱
豆腐を使ったヘルシーな韓国の家庭料理のスンドゥブは韓流ブームの追い風もあり、日本でも人気を集めている。KSPPOSデータによると、スンドゥブの素の2024年(1~12月)の販売金額は対前年比9.7%増と堅調に推移した。
スンドゥブカテゴリーの販売金額構成比ランキング(2024年1月~12月)では、丸大食品の「スンドゥブ マイルド」がシェア28.8%でトップに輝き、次いで「スンドゥブ辛口」がシェア19.6%で2位となった。この2商品でシェアは48.4%で、圧倒的な強さとなっている。
そのほか、旨味の中にも辛さが際立つ「スンドゥブ 旨辛」や、個食タイプの「スンドゥブ マイルド 150g×3袋入」などの商品がランクインした。丸大食品の「スンドゥブ」シリーズは、本格的な味わいが支持され、販売金額メーカーシェアは52.7%で、08年から17年連続売上No.1※を継続している。
昨年の下期は、SNSを活用した情報発信や喫食イベントなどで、ユーザーとの接点を増やして、新規ユーザー獲得につなげている。
今年春には、「スンドゥブ」の特長である牛脂やポークエキス、タデギによる濃厚で深い味わいを維持しつつ、ユーザーがスンドゥブにイメージする魚介の旨味をアップ。パッケージも店頭での視認性が高まるデザインに変更した。
さらに最も辛さの強い〈旨辛〉は、旨さの中に辛さがあるというイメージが伝わるように〈旨極辛〉という商品名に変更し、辛さを求めている人に訴求する。丸大食品ではカテゴリーリーダーとして引き続き、スンドゥブの喫食機会の拡大につなげるプロモーションを行い、市場を盛り上げていく考えだ。
メーカーシェア2位のモランボンが猛追
ランキング3位と4位には、濃厚なコクとまろやかな味わいのモランボン「スンドゥブチゲ用スープ 濃厚マイルド」と、コクと力強い辛さが特徴の「同 濃厚辛口」が入った。生鮮売場での関連販売が好評で、販売金額メーカーシェアは26.1%で、徐々にシェアを伸ばしている。
5位には、あさりとビーフのだしに、3種の唐辛子を配合したエスビー食品の「菜館 スンドゥブチゲの素 辛口」、6位と7位には、あさり、ほたて、はもの3種の魚介旨味だしを配合したニッスイの「スンドゥブチゲの素 マイルド」と「同 辛口」〉、8位には銀座高級韓国料理店「尹家」の味を再現した美山の「スンドゥブ」などが続く。昨年と比べて順位に大きな変動はみられない。
スンドゥブの素を使えば手軽に本格的なスンドゥブがつくれるが、家庭での喫食経験率はまだまだ低いのが現状。食べたことがない人に向けて店頭で手軽につくれることを訴求したいところだ。各社ではアレンジレシピなども提案し、家庭での食卓登場頻度アップを図っている。
※2008~2024年スンドゥブの素 丸大食品スンドゥブシリーズ同社調べ(KSP-POSデータより)