国産素材や産地、品種にこだわった商品、簡便性とおいしさを兼ね備えた商品など、卸各社では付加価値の高いオリジナル商品の開発に力を入れている。今秋も各社から次々と新商品が発売されており、売場を賑わせている。
簡単調理で健康的な食生活を応援
健康志向の高まりを受けて、健康・機能食品カテゴリーが好調で、なかでも健康機能を持つ飲用酢の需要が増加している。日本アクセスでは「からだスマイルプロジェクト」と、全国農業協同組合連合会の「ニッポンエール」の共同開発商品で、国産果汁を使用した「フルーツビネガー」3品を新発売。
果汁には栃木県産の「にっこり梨」や大分県産の「キウイフルーツ」など、県別や品種別に厳選した果汁を使用している。さらに冷凍食品の「Delcy」ブランドからは、袋ごとレンジ加熱するだけで1/2日分の野菜が食べられる「チン!する温野菜」を新発売。忙しいなかでも簡単に健康的な食生活を提案する。
また、腸内環境を良好に保つ「腸活」がメディアなどを通して話題となっており、認知も広がっている。三菱食品では、おいしさやバラエティー感、簡便性、機能性を主軸に考え、バランスのよい食生活をサポートする「食べるをかえる からだシフト」の「Happiness腸活」シリーズを拡充。
食物繊維と「はぴねす乳酸菌」を配合した商品で、この秋は、毎食食べる主食から簡単に腸活ができるアジアン料理「ごはんとまぜて ビビンバ」「ごはんにのせて ガパオ」を発売した。
そのほか、牛乳やヨーグルト、パンにかけて毎日手軽に腸活できる「黒ごまアーモンドきなこ」、アーモンド、カシューナッツ、クルミの3種のスイートフレーバーミックスナッツなどをラインアップしている。
国産原料や製法にこだわった商品で、新たな需要を掘り起こす
国産素材や原料にこだわった商品も続々発売されている。国分グループ本社では、国産素材のだしの旨味が効いた生麺タイプのラーメン「クリエイト だし麺」から、「広島県産 牡蠣だし醤油らーめん」と「北海道産 花咲蟹だし味噌らーめん」の2品を追加発売した。
同シリーズは魚介だしをベースにした商品が好調で、今回新たに魚介だしを使用した2品を発売することで、シリーズの強化を図った。
三井物産流通グループの「にっぽん元気マーケット」は、各地に根付くおいしいものを全国に広げるためのオリジナルブランドで、この秋は静岡・焼津のツナをたっぷり使用した食事系スプレッドを新発売。トーストだけでなく、クラッカーのトッピングやパスタなどにも活用できる。
また、北海道産牛乳と生クリームを使用したコクのある味わいのミルクプリンを新発売。常温で長期保存できることから、自宅用のストックはもちろん、ちょっとしたギフトとしても適している。
一方、日本酒の消費量が長期的にみて減少傾向にあることから、伊藤忠食品では新しい付加価値商品として「凍眠凍結酒」を開発。蔵元でしか飲めないような生酒を楽しむことができる商品で、冷凍食品売場で展開することで新しい飲用層を開拓する。
2024年の歳暮商品として、京都府、兵庫県、奈良県の酒蔵の商品を詰め合わせた「凍結生酒 飲みくらべセット」を展開する。詰めたてフレッシュなおいしさを訴求することで、新たな需要を掘り起こす。