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パスタ&パスタソース市場、早ゆで、レンジ対応など簡便・時短を訴求した商品が市場をリード

外食品質の本格的な味わいに加え、簡便・時短に対応した商品の登場で、堅調に推移しているパスタ&パスタソース市場。引き続き、簡便性や本格感を打ち出した商品の投入で、市場活性化を図りたいところだ。

スパゲティ、マカロニともに金額PIは堅調に推移

 KSP-POSデータのスパゲティの期間通算(2023年8月~24年7月)の金額PIは、2848円で対前年同期比3.8%増、数量PIは11.79で同0.1%減となった。パスタはコロナ禍の内食需要の拡大で、引き続き好調に推移している。パスタで市場をリードしているのが、調理時間が短い早ゆでタイプ。インテージSRI+によると、23年度スパゲティ販売ランキングで、日清製粉ウェルナの「マ・マー チャック付き1.6mm600g」を抜き、「早ゆで結束1.6mm500g」がトップに輝いた※。同社独自の「風ぐるま形状」により、おいしさと早さを両立させたことが支持につながっている。また、通常サイズの2/3サイズの「マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast2/3サイズ」は、小鍋でゆでられる利便性が評価され、発売から好調だ。絶妙な長さの2/3サイズは新しいもうひとつのスタンダードになりそうだ。

堅調に推移しているパスタ&パスタソース市場は、引き続き簡便性や本格感を打ち出した商品で市場活性化を図りたい(luchezar/i-stock)

 また、もちっと弾力的な食感が特長のニップン「オーマイプレミアム もちっとおいしいスパゲティ」は、24年2月の発売から半年たらずで累計出荷数2500万食を突破した。

 一方、マカロニの期間通算の金額PIは、531円で同4.8%増、数量PIは4.61で同8.3%増と堅調に推移。マカロニも時短・簡便調理に対するニーズが高まっていることから、早ゆでタイプが中心だ。中でも「マ・マー 早ゆでマカロニ」シリーズが全品電子レンジ調理対応になったことが需要拡大につながっている。スパゲティの電子レンジでの調理経験に比べ、マカロニはまだまだ低いため、今後、利便性が広がれば、さらに需要は伸びそうだ。

※出典:インテージSRI+ 推計販売規模(金額)23年4月〜24年3月

簡便・時短を訴求したパスタソースが続々

 粉末・ペーストのパスタソースの期間通算の金額PIは、1197円で対前年同期比3.1%増、数量PIは6.14で同0.8%減。レトルトソースの期間通算の金額PIは1877円で同2.6%増、数量PIは10.79で同0.3%減となった。パスタソースの中でも簡便ニーズに対応した「あえるタイプ」が市場を牽引している。また電子レンジ対応のパスタソースも次々に登場しており、日清製粉ウェルナでは今年の春に、パスタソースの濃厚さにこだわった「マ・マーTAPPRINO」を新発売。電子レンジでわずか20~30秒という手軽さを訴求する。

 永谷園では、折ったパスタをパッケージに入れ電子レンジで温めるだけで、同時にパスタ料理がつくれる「パキット」を展開。鍋なども必要ないので、調理時間と後片付けの時間も短縮できる。

 味の素では、キューブタイプのパスタ用調味料「パスタキューブ」を展開。フライパンで具材を炒めた後に麺と水とキューブを加え、水分を飛ばしながらゆであげるだけの商品だ。フライパンひとつで完結する利便性が支持されている。

 パスタソースは簡便性に加え、具材感や本格的な味わいを求める層も多く、今後さらに多様化や細分化が進むことが予想される。