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乳酸菌飲料市場、「睡眠の質向上」など機能を訴求した商品がヒット

健康志向の高まりに加え、乳酸菌の効用に対する理解が深まり、順調に拡大している乳酸菌飲料市場。「睡眠の質向上」や「腸内環境改善」「骨密度を高める」など、健康を訴求した商品が次々に発売されており、市場を賑わせている。

金額・数量PIともに大きく伸長

 KSP-POSデータの乳酸菌飲料の期間通算(2023年4月~24年3月)の金額PIは、9491円で対前年同期比24.4%増、数量PIは43.07で同14.6%増と、金額・数量ともに大きく伸長した。月別金額PIではすべての月で2ケタ増となっており、とくに4~11月までは前年の20%以上の伸びとなった。数量PIでは4~11月まで2ケタ増となったが、12月以降は前年割れだ。乳酸菌飲料は毎日の習慣にしている人が多いことから、季節的な要因はなく、年間を通して安定した需要となっている。

現代人が抱える睡眠や疲労感にアプローチした商品は幅広い年齢層から支持され、今後も需要は高まることが予想される。(写真はイメージ、iStock)

 コロナ以降、健康志向の高まりにより、健康を訴求した乳酸菌飲料が好調で、爆発的なヒット商品となったのが、ヤクルト本社の「Y1000」だ。生きて腸まで届く「乳酸菌シロタ株」がヤクルト史上最高密度の1本(100ml)に1000億個入った乳酸菌飲料。機能性表示食品で「ストレスの緩和」や「睡眠の質向上」の機能を訴求している。プロ野球選手の村上宗隆さんや作詞家の秋元康さん、歌手のMISIAさんを起用したテレビCMを投下している。

 同様に「睡眠の質向上・疲労感の軽減」を訴求しているのが、日清ヨークの「ピルクル ミラクルケア」。生きたまま腸に届く「乳酸菌NY1301株」が配合されており、低カロリーですっきりした味わいが特長だ。お笑い芸人のジョイマンを起用してテレビCMでわかりやすく機能を訴求している。現代人が抱える睡眠や疲労感にアプローチした商品は幅広い年齢層から支持され、今後も需要は高まることが予想される。

 雪印メグミルクの骨密度を高めるMBP®を配合した機能性表示食品の「MBP®ドリンク」も好調だ。MBP®は、牛乳にごく微量に含まれる希少なたんぱく質で、骨の新陳代謝を担う2つの細胞に働きかけることで、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぎ、カルシウムを骨に定着させる。毎日続けやすい糖類オフ・低カロリータイプもラインアップしている。

 そのほか、生きて腸まで届く植物性乳酸菌ラブレ菌を配合したカゴメの「植物性乳酸菌ラブレW」も堅調に推移。ラブレ菌はお通じと腸内環境を改善すること、肌の潤いを守るのを助けることが報告されている機能性表示食品。食物繊維や鉄分、カルシウムなどを配合した商品もラインアップしている。

ロングセラーの「森永マミー」幅広い年齢層から支持

 機能を訴求した商品が多いなか、味わいで長年、愛され続けているのが、2025年に発売60周年を迎える森永乳業の「森永マミー」。“生きてる乳酸菌”のヘルベティカス乳酸菌と森永乳業独自の機能性素材・シールド乳酸菌®のWの乳酸菌に加え、お腹にやさしいミルクオリゴ糖やビタミンDが配合されている。子供のイメージのある商品だが、甘酸っぱい味わいは幅広い年齢層から支持され、家族みんなで楽しめる飲料として親しまれている。

 同社では新たなファンを獲得するため、人気のマミーキャラクターが登場する人形劇動画や絵本、ダンス動画を配信。「森永マミー」の魅力をあらためて訴求することで、若い親子を取り込んでいる。同社では発売60周年に向けて、プロモーションを強化していく考えだ。