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マヨネーズ市場、健康訴求型やタルタルソースなど サブカテゴリーが好調

価格改定の影響で金額ベースでは前年を上回ったが、数量ベースでは前年割れとなったマヨネーズ市場。そのなかでも好調なのが健康訴求型マヨネーズやタルタルソースなどだ。万能調味料として使用頻度アップを提案することで、マヨネーズ市場の活性化を図りたい。

価格改定の影響で金額ベースでは前年増

 KSP-POSデータのマヨネーズの期間通算(2023年4月~24年3月)の金額PIは、5203円で対前年同期比7.9%増と伸長したが、数量PIは19.36で同6.4%減となった。鳥インフルエンザの流行で卵の価格が急騰したことや食用油などの原材料価格が高騰したことで、22年10月に続き、23年4月にも価格改定が行われた。平均単価は同15.2%増となり、金額ベースでは前年増となった。

タルタルソースは定番商品への利用のほか、サンドイッチやサラダ、その他のフライなど使い方が広がっており、マヨネーズ類のなかで近年大きく伸長している(写真はイメージ、iStock/yasuhiroamano)

 マヨネーズ市場はコロナ以降、内食率の増加で順調に拡大したが、感染拡大が落ち着き始めた頃から家庭内消費は減少傾向にある。ただ、コロナ前の19年と比較すれば確実にベースアップしていることから、家庭でのマヨネーズの活用シーンが広がっているといえそう。マヨネーズのリーディングカンパニーであるキユーピーでは、さまざまなマヨネーズの使い方を提案しており、「マヨソテー」や「合わせマヨ」「マヨネーズマジック」などをブランドサイトで紹介。こうした啓発活動が使用量アップにつながっている。

 マヨネーズのなかでも好調なのが、健康訴求型のマヨネーズ。カロリーオフタイプのほか、コレステロール値が高めの人に向けた特定保健用食品「キユーピーディフェ」や、BMIが高めの人に向けた機能性表示食品の「キユーピーフィッテ」、血圧が高めの人に向けた機能性表示食品の「キユーピーアマニ油入りマヨネーズ」、コレステロール値を下げるのが特長の特定保健用食品の味の素「ピュアセレクト®サラリア®」など、健康ニーズに合わせたラインアップで、ユーザーを取り込んでいる。

用途の広がりを受けて、タルタルソースが2ケタ増

 マヨネーズ類のなかで、近年大きく伸長しているのがタルタルソース。KSP-POSデータの「加工マヨネーズ」(KSP商品分類)内で、商品名に「タルタル」を含む商品を抽出したところ金額PIの増減率は対前年同期比10.1%増となった。タルタルソースはカキフライや海老フライでの使用が中心になるが、サンドイッチやサラダ、その他のフライなど使い方が広がっていることが伸びている理由だ。とくに、ゆで卵や玉ねぎなどの具がたくさん入ったタルタルソースが人気で、専門店が登場するなど話題となっている。

 日本で初めてタルタルソースの製造・販売を開始したキユーピーでは昨年、「キユーピー 具だくさんタルタル」をリニューアル。熟成卵黄を使用したことで、濃厚でコクのある味わいに仕上げた。

 伸長が続いているタルタルソース市場だが、家庭での保有率や年間の使用本数はまだまだ低く、最需要期の秋冬に比べ、春夏は需要が落ち込む。そこでキユーピーでは、春夏の需要を盛り上げるため、さわやかなレモン風味の「キユーピー 具だくさんレモンタルタル」をこの春に発売。ゆで卵と玉ねぎに加え、レモン果汁とピールを加え、さわやかな風味のタルタルソースに仕上げた。家庭での調理機会の多いから揚げのほか、肉系フライやサラダ、サンドイッチなどでの使用を提案する。

 タルタルソース市場は伸びしろの大きなカテゴリーで、食べ方が広がれば、さらなる拡大が期待できそうだ。