クスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長:以下、クスリのアオキ)が今年7月、新潟県糸魚川市にオープンした「クスリのアオキ能生店」(以下、能生店)。もはや同社の“お家芸”ともいえる、地場の食品スーパー(SM)の買収、店舗承継を経て開業した生鮮フルライン型店舗である。ただ、周辺は海と山に囲まれたルーラルかつ狭小商圏が広がっており、決して恵まれた環境とはいえない。どのような売場づくりを行っているのか、現地を調査した。
※文中の価格はすべて税別
地場SM「サンエー」をフード&ドラッグに転換
能生店がある糸魚川市能生地区は、市内中心部から10㎞ほど離れた日本海沿いに位置するエリアだ。「能生漁港」をはじめいくつかの漁港が点在するほか、夏は海水浴客でにぎわう。
地区内には鉄道駅や高速道路のインターチェンジもあり交通の便はよいが、海沿いのすぐ近くまで山々が迫っており可住地は少ない。2020年の国勢調査のデータによると、能生地区の人口は約7700人、世帯数は約2900世帯で、人口・世帯数ともに減少傾向が続いている。
そんな能生地区に、今年7月12日にオープンしたのが能生店だ。クスリのアオキが同年3月に買収した、糸魚川市内でSM2店舗を展開していたサンエーの「能生店」を転換。青果、精肉、鮮魚、総菜、インストアベーカリーまでをカバーする生鮮フルライン型のフード&ドラッグ業態として再スタートを切った。
競合店としては、200mほど離れてアクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長)傘下のナルス(同/丸山三行社長)が運営する「ナルス能生町店」がある。個人商店を除けば能生地区にはこれ以外にSMやドラッグストア(DgS)は存在せず、このルーラルかつ狭小商圏において、クスリのアオキの生鮮フルライン型店舗とナルスが直接対決するに至ったわけだ。
青果は地場品も豊富に展開
早速、能生店の売場を生鮮中心に見ていこう。
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