「デスティネーション・ストア」への転換を掲げ、生鮮強化に取り組むバロー。同社が「信用部門」と位置づけるのが水産部門。まさに顧客の信頼が問われる部門だ。「頭から尻尾まで見せて販売する魚屋を目指す」をスローガンに掲げ、鮮魚の対面販売を増やしてきた。調達面や売場づくりでは何に取り組み、どんな成果をあげてきたのか。そして今後の商品政策で重点を置くのは何か。同社執行役員水産部部長、販売促進部部長の小島一也氏に語ってもらった。
土用の丑の日、生うなぎを店頭で焼く
バローの水産部門の売上高構成比は約10%とよい水準にある。最も高い店は15%超もある一方、約3割の店が5~8%にとどまっている。格差が生まれる分かれ目はその店の生鮮がお客さまから支持されているかどうかだ。これがコロナ禍で明確になった。この格差是正が課題となっている。
強化してきたのは鮮魚とマグロだ。そのために調達先の市場も広げてきた。名古屋に加えて大阪からも仕入れており、1年ほど前からは東京の豊洲も使い始めていた。
調達面では、5年ほど前にグループSMのタチヤと組んだことも大きい。タチヤは国内トップの仲卸と組んでいた。これにバローが加わった結果、一気に調達力が高まり、名古屋市場での買い付け量もSMトップになった。品質面もそうだが、入ってくる情報の量、質ともに高まった。
販売面で取り組んだのが、土用の丑の日に行った、生うなぎの店頭焼きだ。100店ほどで実施したが、これもうなぎの取扱量トップの仲卸からの仕入れでタチヤと組んでいることが生きている。
バローは水産を「信用部門」と位置づけている。これを象徴するのが対面販売だ。水産部門では約100店で対面販売を行い、このうち約60店はアイランド式のプールで販売している。対面プールは2020年から改装店舗に導入しており、「デスティネーション・ストア」の象徴でもある。これにより対面鮮魚の売上は
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。