残暑が続くかと思えば一気に冬に切り替わるというのが、最近の秋の気候。販売面では難しい時期だが、気温変動や季節イベントに合わせた需要の変化などを細かく分析しながら、数字を積み上げていきたい。
市況分析&今秋の方向性
「本格化」が著しい総菜
本題に入る前に、筆者が最近得た気づきを一つ共有しておきたい。
今年4月に行われた中食・外食業界の業務用専門展「ファベックス2024」(日本食糧新聞社主催)において、恒例の「惣菜・べんとうグランプリ2024」が開催された。同グランプリは複数の部門に分かれて入賞商品が決定される。今回は「わが社自慢の惣菜・べんとう」「祭事・イベント」「駅弁・空弁」「健康・ヘルシー」「地方食材・調理法」「デリ・ベーカリー&スイーツ」のほか、特別部門として「ロングライフ・冷凍食品」「アジアン」が設けられ、総菜のスペシャリストや専門家などによる審査を経て入賞商品が決定された。
入賞商品についてはインターネットなどで結果を見ていただくとして、筆者が着目したのは審査員からの評価コメントである。「食材・調味・盛り付けの多彩さ」「熟考されており、かつ斬新」「外食専門店に匹敵する(出来栄え)」といった表現が並んでおり、食品スーパー(SM)の総菜部門でも本格的な商品開発が進んでいることが実感された。
コロナ禍を経て消費の多様化がいっそう進む今日、総菜開発において大切なのは、核となる主力商品の強さを前提にしたうえでの、バリエーションの豊かさや独自性、地域性、斬新さを追求すること、そしてそれを実現するために「総菜のプロ」のみならず、調理に関する専門的知識を有する「料理のプロ」が開発段階から介在することである。そのことを、総菜・べんとうグランプリからあらためて確認することができた。
今秋も高温を前提に製造計画の策定を
今秋の総菜MDの方向性
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