2022年は、原料調達の影響によりポテト系スナックの生産数量に低下が見られたものの、生産金額や小売金額では前年を上回ったスナック市場。期間通算の金額PIはすべての月で前年超え、中でも11月~12月、3月~5月の5カ月は二ケタ成長を見せた。
コーン系スナックの生産拡大、ポテト系の生産数量減を穴埋め
全日本菓子協会によると、2022年のスナック菓子(ポテト系、コーン系、小麦粉系、米粉系)の生産数量は28万2883トンで、対前年比0.5%減、生産金額は3350億円で同4.8%増、小売金額は4768億円で同4.3%増となった。22年はスナック菓子最大のカテゴリーであるポテト系スナックが、とくに上半期、原料調達が思うに任せず、スライス・成型チップスともに、生産数量の大幅な低下を招いた。コーン系スナックの生産拡大により、ある程度埋め合わせたものの、全体で見ると、生産数量は前年割れとなった。一方、生産金額や小売金額は、値上げや容量減などの対応を強いられたものの、結果的にはともに前年を上回った。家庭内需要は堅調、しばらく低調だった土産物需要やオフィス需要、インバウンド需要は回復の兆しを見せている。
KSP-POSデータによると、スナック菓子の期間通算(2022年11月~2023年10月)の金額PIは、1万5430円で対前年同期比9.7%増。月別で見ると、すべての月で前年超えとなった。中でも、11月~12月、3 月~5月の5カ月は二ケタ成長となった。
スナック菓子市場で高いシェアを占めるカルビーでは、発売30周年を迎える「堅あげポテト」から、「堅あげポテトブラックペッパー」を4年ぶりにリニューアル。粒度の異なるブラックペッパーを使用することで、食べ始めから後半まで辛さが持続するように改良した。また、リニューアルに先駆け、ブラックペッパー感をアップした「同贅沢ブラックペッパー」も全国のコンビニエンスストアで期間限定発売した。あわせて、他フレーバーも30周年ロゴ入りのパッケージに変更し、周年を盛り上げる。さらに、発売以来、200種類を超えるフレーバーを発売してきた「じゃがりこ」では、地元に愛される商品をつくる「ラブ地元」シリーズの展開を始めた。第1弾として、おあげ粒を練り込んだ「同関西風おだし味」を全国のコンビニエンスストア以外の店舗で期間限定発売する。
国際動向や消費者需要など、さまざまな観点からの見極めが重要
一方、湖池屋では、じゃがいもの濃い味わいと特有のホクホク感が楽しめる「ピュアポテト」ブランドをリニューアルした。ブランド名を「PURE POTATO じゃがいも心地」から「ピュアポテト」に変更したほか、新しくなった「オホーツクの塩と岩塩」「伝説の爽快ペッパーと岩塩」「トリュフと岩塩」「禁断の生ハム」の4品に、新定番「五つ星コンソメ」をラインアップに加えた。生まれ変わった「ピュアポテト」を1人でも多くの方に手に取っていただきたいとの思いから、横浜流星さんを起用した新たなプロモーションも展開する。
また、東ハトでは、「キャラメルコーン」から、「同あまおう苺味」を期間限定新発売した。フルーティーなあまおう苺のピューレを使用した苺の味わいに、練乳を加えて、まろやかな甘さに仕上げている。
インバウンドは直近の回復の流れを引き継ぐことが期待されるが、「Withコロナ」や値上げ環境、賃金水準の引き上げの進展度合いによる消費者の節約志向の高まりの影響など、今後もさまざまな観点から需要を見極める必要がありそうだ。