リクルートの飲食に関する調査・研究機関である「ホットペッパーグルメ外食総研」では、2015年から『「ハロウィン」への参加意向、賛否等に関する意識についての消費者アンケート』を実施している。小売チェーンにとって商機となる「季節催事」に対する消費者の意識はどのように変わりつつあるのか。25年9月に行われた同アンケートの最新結果に基づき、ハロウィン動向データから解説する。
ハロウィン行事参加予定者は15.7%、2年連続で減少
25年の行事参加予定については3圏域(首都圏・東海圏・関西圏)計で15.7%と、前年の16.1%を下回り、2年連続して減少となった。ただし、前年の参加実績14.9%と比べると0.8ポイント上回る結果となった(図1)。
参加実績は2021年から3年連続で増加した後に2024年は減少しており、今年はどうなるか注目だ。
参加予定率が最も高かったのは男女とも20代で、20代男性では32.3%、20代女性では20.5%が参加予定と回答している。前年の参加実績と比べると、60代女性(2.4ポイント増)や40代男性(2.0ポイント増)等で参加予定が前年実績より増加している。
ハロウィンを「友人・知人」と過ごすと回答した人が3年連続1位
次に、「ハロウィンを誰と過ごしたいか」についてのアンケート結果トップ3は次のとおりだった。
- 1位:「友人・知人」(8.9%)
- 2位:「夫婦二人」(7.2%)
- 3位:「家族・親族(小学生以上18歳以下の子連れ)」(6.6%)
1位は「友人・知人」と3年連続して最多となった。「友人・知人」は21年の5位から、22年は3位、23・24年は1位と順位を上げ、家族中心の集まりであったコロナ禍のハロウィンから、平時に完全に戻ったことを感じさせる結果となった。
また、希望するハロウィンの過ごし方があった人(2572人)に、「今年のハロウィンで最も楽しみにしている過ごし方」を聞くと、次のような結果が得られた(図2)。
(図2が入る)
- 1位:「家で過ごしたい」(23.3%)
- 2位:「ハロウィンスイーツを食べたい」(12.6%)
- 3位:「外食を楽しみたい」(8.7%)
- 4位:「飲酒を楽しみたい」(6.3%)
- 5位:「子どもにお菓子をあげたい・配りたい」(5.6%)
順位は前年と変わっていないが、性年代別の外食関連項目では、40・60代男性で「外食を楽しみたい」、50・60代男性で「飲酒を楽しみたい」が他の性年代に比べ高くなっている。
また、20~40代女性は「ハロウィンスイーツを食べたい」、20・30代女性は「かぼちゃ料理を食べたい」「ハロウィンに合った料理やお菓子を作りたい」が他の性年代に比べ高く、20・30代の若年女性を中心にハロウィンで「食」に関わる過ごし方を楽しみにしている様子がうかがえる。
ハロウィンへの意識における性年代による差
ハロウィンに肯定的な理由の回答数と否定的な理由の回答数を集計すると、「否定優位派」が52.8%と「肯定優位派」の38.3%を上回った。
ただし、性年代別では、20代女性では「肯定優位派」が51.1%と過半数を超えているのに対して、男性の50・60代では「否定優位派」が6割を超えており、性年代による差が大きい。男女ともおおむね年代が上がるほど「肯定優位派」が減り、「否定優位派」が増える傾向にある。
全体的な今年の傾向としては、20~40代女性がハロウィンに関連したスイーツや料理などに関わる意欲が高い。ハロウィンを「食で楽しむイベント」として捉える動きが、今年はより広がっているようだ。小売店舗それぞれの立地や客層と上記ターゲットをどうマッチングさせるかがカギを握るだろう。
【調査概要】
インターネット調査、調査期間:2025年9月1日(月)~2025年9月10日(水)、有効回答数:7,631人(首都圏4,442件、東海圏1,144件、関西圏2,045件、各ウエィトバック後件数)、全国47都道府県に住む20〜69歳の男女、マクロミルモニター)。