コロナ禍での長期のステイホームにより、生活者のライフスタイルに変化が表れている。食生活においては、さまざまな価値観が生まれ、暮らしの知恵なども養われてきており、内食に関しては健康や栄養価などに高い関心が寄せられている。こうしたなか、2022年に向けスーパーマーケット(SM)の鮮魚部門はどのような売場提案、商品計画の立案を行えばよいのか。そのポイントを解説する。
スマホを活用した情報発信
現在はコロナの影響で健康志向が高まっており、栄養価の高い魚料理が家庭でのメニューとして再評価されている。これは魚を調理する際の手間や食べる際の面倒などの苦手意識を払拭するチャンスでもある。SMでのこのような情報発信はまだ十分とは言えず、旬の魚種の紹介からよりおいしく食べるコツ、料理のポイントをPOPで伝えるなど、試食販売に代わる新たな提案をすることで、消費者へのさまざまな食育につながるだろう。
昔の魚屋や八百屋などの専門店は、“地域の医者代わり”と言われるほど食品の栄養や効能についての知識が豊富だった。こうした知識は魅力ある接客の要素としてお客に喜ばれたものだ。多少のおせっかいもあっただろうが、話のタネが多い店にはお客が集まり、繁盛店のモデルにもなっていた。現在、こうした情報はすぐにスマートフォンで得られるが、情報を検索し活用しなければ宝の持ち腐れである。売場ではスマホ検索の有効活用方法などの紹介を従来の提案と組み合わせるのも効果的だ。
現代では「薄味・濃い味のコツ」「保存方法」「体によい食べ方」などあらゆる情報が細分化されている。そこで、キーワード検索の方法や参考になるウェブサイトなどを売場のPOPや接客などで紹介すれば、リアル店舗における鮮魚売場の存在価値は高まるだろう。また、シニア層には簡単な検索マニュアルなどを準備すると喜ばれる。
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