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コロナ禍で明暗分かれる菓子市場、キャンディ・ガムは復調の兆し

外出自粛や在宅勤務による巣ごもり生活により、チョコレートやビスケット、スナック菓子などは2020年上期に大きく伸長したが、その反動で今年上期は横ばい傾向となった。また、喫食シーンが減少したことで前年割れとなっていたガムやキャンディだが回復の兆しがみえはじめている。

外出自粛によって、まとめ買いが増えるなか、大袋が好調に推移した。 i-stock/ Yuliya Apanasenka

チョコレート・ビスケットともにロングセラーの大袋が好調

 KSP-POSデータのチョコレートの期間通算(2020年10月~21年9月)の金額PIは、1万8082円で対前年同期比2.2%増。月別金額PIでは、2月までは堅調に推移しているが、3~5月、7月が前年割れとなった。これはコロナ特需の反動によるもので、19年比では上回っているため、堅調な推移といえる。チョコレートカテゴリーでは大袋と健康系チョコレートが市場を牽引。外出自粛によって、まとめ買いが増えるなか、大袋が好調に推移した。個包装されているため、衛生的で安心できる点も後押しとなった。

 年々広がる健康意識に加え、昨年はコロナ禍でその傾向は高まっており、健康系チョコレートが好調だ。その市場を牽引するのが明治の「チョコレート効果」。シニア層を中心に支持されており、毎日喫食する習慣化に取り組んできたことが需要拡大につながっている。また、健康感とおいしさを兼ね備えたナッツチョコレートも好調だ。江崎グリコでは、発売から初めて「アーモンドピーク」を大幅リニューアル。アーモンドオイルを新たに加え、1粒にアーモンド2粒分のビタミンEを配合した。健康価値に着目しながらおいしさも追求した。

 ビスケット・クッキーの期間通算の金額PIは、9964円で同5.2%増。月別金額PIでは10~3月まで堅調に推移しており、4~5月はコロナ特需の反動で前年割れとなったが、大きな落ち込みではない。ビスケット・クッキーもチョコレート同様に大袋を中心に好調だ。衝動買いが減り、新製品が苦戦するなか、ロングセラーブランドが市場をリードしている。不二家では、ロングセラーの「カントリーマアム」が好調で、なかでもチョコレートを既存品の2倍加えた濃厚な「カントリーマアムチョコまみれ」がブランドの底上げを図った。シュールなキャラクターがSNSで話題となり、ヒットにつながっている。

キャンディ・ガムは回復の兆しがみえはじめた

 スナックの期間通算の金額PIは、1万3397円で対前年同期比5.1%増。11~1月までは2ケタ増となったが、コロナ特需の反動で3~4月は前年割れとなった。カルビーでは、新ブランド「じゃがいもチップス」を新発売。じゃがいもの品種を厳選し、製法にこだわり皮までおいしいポテトチップを開発した。また、40代以上の女性からの支持が高い「miino」ブランドが好調で、同社ではスナック菓子の新素材として「miino」ブランドを育成していく。

 一方、前年割れが続いていたキャンディ・キャラメルだが、5月以降はプラスに転じており、期間通算の金額PIは8636円で同0.3%増となった。インバウンド需要の減少が大きく響いていたが、徐々に需要は戻りつつあるようだ。

 ガムの期間通算の金額PIは1592円で同6.9%減。前年割れが続いているが、市場回復の兆しがみえはじめている。シェアトップのロッテでは、「キシリトール」の価値を再認識してもらうプロモーションを展開するほか、人気グループのBTSを起用したコラボ商品やキャンペーンを行い、若年層を取り込んでいる。