メニュー

多様化するニーズに対応した機能性ヨーグルトが続々!健康意識の高まりに合わせて注目が集まる

新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響で、健康意識がますます高まり、機能性ヨーグルトにも注目が集まっているが、ブランドによって販売動向の明暗が分かれる結果となった。ユーザーニーズが多様化していることを受け、機能性ヨーグルトもさまざまな商品が登場している。

1月までの金額PIは堅調、2月~5月は前年割れ

 KSP-POSデータによると、機能性ヨーグルトの主要15アイテム(明治「明治プロビオヨーグルトR-1」「明治プロビオヨーグルトLG21」「明治プロビオヨーグルトPA-3」、「明治スキンケアヨーグルト 素肌のミカタ」、雪印メグミルク「恵ガセリ菌SP株ヨーグルト」「恵ビフィズス菌SP株ヨーグルト」「乳酸菌ヘルベヨーグルト」、森永乳業「ラクトフェリンヨーグルト」「トリプルヨーグルト」「ビヒダスヨーグルト 便通改善」、ダノンジャパン「ダノンビオ」「ダノンデンシア」、江崎グリコ「BifiXヨーグルト」「BifiX1000」、小岩井乳業「iMUSE生乳ヨーグルト」)の期間通算(2020年6月~21年5月)の金額PIは、1万434円で対前年同期比1.7%増、数量PIは73.38で2%増となった。

コロナ禍で健康意識が高まったことにより機能性ヨーグルトを選ぶ人が増えている。中でも、機能を明確にした商品が好調だ。(i-stock/kuppa_rock)

 月別金額PIをみると、20年6月~21年1月までは前年を上回って推移。コロナ禍で健康意識が高まったことにより、機能性ヨーグルトを選ぶ人が増えているようだ。逆に2月~5月は前年割れとなった。機能性ヨーグルトは例年、風邪やインフルエンザ流行時期に伸長する。しかし21年はコロナ感染対策として手指消毒や外出時のマスク着用が徹底されていたことから、インフルエンザの流行が抑えられた。そのため、ボリュームの大きな「明治プロビオヨーグルトR-1」などの商品の販売は厳しい結果となり、前年割れとなった。

 その一方で、機能を明確にした商品が好調だ。その1つが昨年4月発売の森永乳業の「ビヒダスヨーグルト 便通改善」。便秘気味の人の便通を改善する機能性表示食品のヨーグルトで、続けることでその効果を実感できることからリピート購入につながっている。

機能性表示食品で機能をわかりやすく訴求

 新たな機能を訴求した商品も次々に発売されている。明治では、飲むことで紫外線から肌を守る、という機能を持った機能性表示食品の「明治スキンケアヨーグルト 素肌のミカタ」を発売した。

 雪印メグミルクは、ヨーグルトで初めて目や鼻の不快感を緩和する機能性表示食品「乳酸菌ヘルベヨーグルト」を2020年1月に発売した。また、加齢に伴って低下する記憶力を維持する機能を持つ「βラクトリン」を配合した機能性表示食品の「記憶ケアヨーグルト βラクトリン」を今年6月に新発売。シニア層をターゲットに新たなユーザーの獲得を図る。

 さらに、カネカからは乳酸菌とサプリメント素材を組み合わせた「わたしのチカラQ10ヨーグルト」を今年1月に発売された。還元型コエンザイムQ10 100㎎に加え、ビフィズス菌と3種の乳酸菌を配合した。同社は世界で初めて酵母から還元型コエンザイムQ10素材の量産化に成功し、世界の製薬会社やサプリメント会社に素材を提供している会社で、今回、ヨーグルトに還元型コエンザイムQ10を配合することで、毎日の食事に取り入れやすくした。

 このように、多様化するニーズに対応してさまざまな機能を持ったヨーグルトが登場しており、今後もさらなる市場拡大が期待されている。