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塗料売場での店頭活性化の事例を紹介!リアル店舗のよさが実感できるホームセンタームサシ久喜菖蒲店の取り組みとは?

“巣ごもり需要”で、DIY関連需要が伸びており、塗料カテゴリーも堅調な動きを見せている。こうしたニーズを着実につかんでいくためには、店頭販促やプロモーションなど、より積極的に取り組みが求められる。今回は積極的に新しい試みにチャレンジするホームセンタームサシ久喜菖蒲店を取材。塗料売場での店頭活性化の取り組み事例を紹介する。

「キシラデコール」50周年キャンペーンを迫力ある演出で訴求

ホームセンタームサシ久喜菖蒲店

 ホームセンタームサシ久喜菖蒲店は、アークランドサカモトが初めて埼玉県下に出店した店舗で、スーパーマーケットのヤオコーと共同で開発した商業施設「the market Place 久喜菖蒲」内に2019年8月にオープン。1階は資材館、ガーデン&カフェ、ペット、アウトドア、生活館を展開し、2階はインテリア、リフォーム・エクステリアなどで構成。塗料売場は1階に位置する。

ホームセンタームサシ久喜菖蒲店 店長三原基裕氏

 同店店長の三原基裕氏は、「まだ出店して間のない店舗なので、とにかく新しいことには何でも挑戦していくつもりで運営を考えています」と言う。

 塗料売場では4月初旬頃から、「キシラデコール」の発売50周年記念キャンペーンと連動する売場を展開している。「キシラデコール」は、木部用塗料として高い信頼性を持つ有力ブランド。「DIYを行うお客さまの間では、耐久性や品質など、圧倒的なナンバーワンブランドとして知られていますので、定番売場でも塗装見本を設置するなど、日頃から力を入れています」(三原店長)と、塗料部門の柱として期待している商品でもある。

 この「キシラデコール」のキャンペーンは、21年に日本販売50周年を迎えたことを記念して展開中。DIYerとして知られるタレントのヒロミさんをキャンペーンキャラクターに起用し、ヒロミさんがプロデュースするブランドの「八王子リホーム」とタイアップした限定品のオリジナルカラーTシャツを制作。キシラデコール購入者に抽選でプレゼントするという内容だ。

定番コーナー上部にもキャンペーン告知ボードを掲げる

 さらに、応募期間中にキシラデコールシリーズを購入し、塗装したDIY作品を撮影して応募してもらうフォトコンテストも実施。同社ホームページにある「みんなのDIY事例」に掲載された「健闘賞」作品については、もれなく2000円のQUOカードをプレゼントするほか、「健闘賞」に選ばれた作品の中から、ヒロミさんに審査してもらい「特別賞」を選考する。受賞者には、賞品としてヒロミさん直筆サイン入りTシャツを10人にプレゼントするなど、盛りだくさんの内容となっている。

塗装見本やモニターなどで多角的に情報発信

定番コーナーとエンドを活用して、高さと視認性に優れた「キシラデコール」キャンペーンコーナーを展開

  ホームセンタームサシ久喜菖蒲店では、塗料売場の「キシラデコール」定番コーナーに、キャンペーンを訴求するディスプレーを構築。天井から吊下げるかたちで、高さのあるプレゼントキャンペーンを告知するボードを取り付けたほか、遠くからでも来店客の目につきやすい特設コーナーを設置した。

 三原店長は「やるからには、しっかりとした売場をつくりたいと考えています。大きな販促効果を期待する重点ポイントを絞り込み、メリハリをつけた取り組みを行っています」という。

 エンドではやぐらを組み、主な商品を展示する縁台を設置。いずれも実際に「キシラデコール」で塗装を行い、塗装見本としての見せ方も意識している。

独自に制作したやぐらと縁台を塗装見本として活用。モニターディスプレーも設置して目に止まりやすい演出を行う
塗装見本板を設置。塗装の効果をわかりやすく紹介する

 やぐら内には、目につきやすいヒロミさんの等身大パネルのほか、モニターディスプレーを設置。映像や音声でも「キシラデコール」50周年と、プレゼントキャンペーンをアピールする演出だ。

 またエンドに続く定番売場でも、「キシラデコール」のシリーズ商品を陳列するほか大型のキャンペーンボードを設置。商品ごとに異なる塗装見本も展示している。

 こうしたダイナミックな演出を行うことで、需要期のユーザーへの情報発信を強化し、最大限の販売促進効果につなげるねらいだ。

リアル店舗ならではの体験・体感の場を提供

シリーズ商品を幅広く取り揃える定番コーナー

 また、三原店長は売場演出にこだわる理由について、次のように説明する。

 「周辺にも多くのホームセンターが立地しており、プロ需要を含めて激しい競合環境です。出店後間もない当店としては、価格や品揃えで店の特徴を打ち出していこうと考えていますが、それに加えて売場の演出や情報発信のあり方も非常に重要だと考えています。また、競合店を意識するだけでなく、ECも意識しています。そのためにもリアル店舗の魅力である“体験・体感”のよさを、塗料売場に限らず、打ち出していく必要があると考えています」。

 実際に商品を手に取るだけでなく、演出された売場の雰囲気を体感できることは、確かにリアル店舗の強みとなる。

 同店では、年に3回程度、さまざまなカテゴリーの商品を集めた独自の「DIYショウ」を開催している。実演販売などを行うイベントで、多くの来店客を集める人気の企画となっている。こうした施策もリアル店舗のよさを打ち出していこうとする取り組みの一環だ。

 現在コロナの影響が不透明で、店頭での販促には制約があることは否めない。しかし、同店の「新しいことには積極的に挑戦」という姿勢は、コロナ後の需要取り込みを図るうえでも、大きな意味を持つことになるはずだ。