新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大下で内食需要が高まったことにより、2020年は青果の売上が大きく伸長した。しかし21年夏~秋はコロナ禍で産地開拓が進まないこと、また果実の不作予測などにより、前年割れが予想される。青果部門は低価格訴求で長年赤字となっている企業も多く、食品スーパー(SM)各社は今こそ収益構造改革を実行するべきである。
低価格だけでは通用しない!
かつてSM経営の教科書では、青果部門は安さを強調しお客を呼ぶ部門とされてきた。しかし現在は、低価格だけでなく、いつでも鮮度・品質・味がよい商品を購入できる店が求められるようになっている。個々の要求は簡単なように見えるが、一年を通じて安定的に商品を調達し販売することはきわめて難しい。この課題を解決するべく、SM各社は絶えずさまざまな工夫を凝らしている。
青果部門は、鮮度が欠かせない“生きている”商品を扱うため、いくつかの課題がある。
たとえば、相場変動により価格が大きく変動する、また季節によって仕入れる産地も変わるなど、変化要素が多いことだ。そのため、後ほど説明する販売計画書の作成には商品情報の精度が重要となる。さらに、商品が生きているからこそ、鮮度管理技術と鮮度の状態に応じた販売技術を備える必要がある。
青果部門をどこよりも安く、鮮度を追求する部門と位置づけているSM経営者は多い。その場合、青果部門はどの部門よりも粗利益率が低く設定されているケースが主だ。
この1年でSM各社はコロナ禍で過去にないほどの好業績を残した。販促を中心に経費の削減ができ、売上高、粗利益も好成績で終わった。しかしこうした状況は一時的なものであり、コロナ収束後にどのような販売戦略をとるかが重要である。
●販促活動
POSデータを活用しよう
ここからは、青果部門の販促と、商品の調達についての現状と課題を述べる。
SMの販促活動において避けてとおれないこととして
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