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おいしく楽しく適正糖質を実現するロカボ商品の市場が活性化!

MDエディション

「おいしく楽しく健康に」を合言葉に、適正な糖質摂取を心がける食事法の「ロカボ」。高まる健康志向を背景に、この考え方に賛同する企業は増え、ロカボライフをサポートする商品が登場している。そこで今回は、弊誌が注目するロカボ商品を一挙紹介、直近のトレンドをレポートする。

麺やパンの主食系も「おいしい低糖質化」が進む

taa22/i-stock

 三大栄養素の一つ、炭水化物に含まれる糖質は血糖値を上げる原因として知られるが、この糖質の摂り方に着目した食事法が「ロカボ」だ。極端に糖質を制限するのではなく、おいしく楽しく適正糖質を摂取することを推奨するもので、北里研究所病院 糖尿病センター長の山田悟氏によって提唱された。1日70~130g(1食20~40g+間食10g以下)を目処に糖質量をコントロールすることで血糖値の上昇を防ぎ、その結果、メタボ予防やダイエット、アンチエイジングなどさまざまな効果が期待できる。

 こうしたロカボの考え方を広く普及させようと、山田氏は2013年に一般社団法人食・楽・健康協会を設立。これに賛同し、ロカボパートナーとして同協会に加盟する企業は年々増え、さまざまなカテゴリーでロカボフードの開発が進んでいる。

 その先駆けの一つが、紀文食品の「糖質0g麺」シリーズだ。おからパウダーとこんにゃく粉からつくった麺で、その名のとおり糖質量0gを実現。好評につき、今秋はカップ入り即食タイプの「糖質0g麺 カレーうどん風つゆ付き」を北海道~中部エリアで、「同 トマトクリーム風ソース付き」と「同担々麺風スープ付き」をそれぞれ全国で発売開始した。

 同様に、麺類の低糖質化にチャレンジしたのが、はごろもフーズの「ポポロスパC a r b O F F(カーボフ)」だ。糖質50%OFF*、100gあたり糖質29.8gの低糖質パスタを実現している。また、かねてより健康志向に応えた商品を多数展開していたシマダヤは、19年秋にラインアップをリニューアルし、「健美麺®」としてブランドを統合。この秋には「同 糖質30%カット本そば 1食」を新たにラインアップし、うどんとの2品体制で健康でおいしい麺食を提案する。

 一方、即席麺メーカーのエースコックは、糖質が気になるミドル世代向けの新ブランドとして「ロカボデリ」を立ち上げ、「カレーハウスCoCo壱番屋」と長崎ちゃんぽん専門店「リンガーハット」とコラボした低糖質カップ麺を発売し、低糖質市場に本格参入した。

 麺と並んで糖質の多い食品として知られるパンについても低糖質化が進む。敷島パンの「低糖質」シリーズは、いつものパンで気軽に、気長に、気兼ねなく適正糖質がめざせるとあって人気だが、今年7月、原材料の変更と配合を見直すことで、糖質オフ率をさらにアップ。同シリーズ9アイテムをリニューアルして好評を博している。

*「日本食品標準成分表2015のマカロニ・スパゲッティ乾」との比較

多彩なカテゴリーでロカボライフをサポート

 低糖質商品の開発は、麺やパンといった主食カテゴリーだけにとどまらない。1日分の間食に当てられる糖質量をオーバーしないように、糖質量を10g以下にコントロールした江崎グリコの「SUNAO」シリーズのアイスや、糖として吸収されないフラクトオリゴ糖を使った明治の「オリゴスマート」シリーズのチョコレートなど、菓子・デザートカテゴリーでも画期的な商品が相次いで登場している。他社に先駆けて、「おいしい低糖質プリン」シリーズを投入していた森永乳業も今年に入ってから「おいしい低糖質プリン チーズケーキ」「同 チョコレート」「同 カスタード」を次々と投入。市場は盛り上がりを見せている。

 また、ロカボライフを実践する上で役に立つのが、低糖質の甘味料だ。サラヤの「ラカントS」は、天然の甘味成分エリスリトールからつくられたカロリーゼロ・糖類ゼロの自然派甘味料であるため、料理やお菓子づくりにおいて砂糖の代わりに使うことができる。

 同様に、良質の油脂やたんぱく質もロカボライフには欠かせない食品だ。糖質と油脂を一緒に摂ると血糖値が上がりにくいことから、竹本油脂では「太香胡麻油」や「太白胡麻油」を通じてロカボの啓蒙活動にも取り組んでいる。良質の油脂という点では、ナッツも然り。オメガ3脂肪酸やオレイン酸などを豊富に含んでいる上、もともと糖質が少ないためにロカボライフにぴったりといえる。デルタインターナショナルの「一週間分のロカボナッツ」や、六甲バターの「ロカボミックスナッツ」などが注目を浴びているのもうなずける。

 また、日本ハムの「ヘルシーキッチンZERO」シリーズや名水美人ファクトリーの「名水美人」シリーズなどもパッケージにロカボマークを記載し、健康意識の高い生活者に向けて訴求している。「ロカボ」の考え方が定着するにつれ、低糖質食品のみならず、ロカボライフをサポートする食品もロカボフードとして今後ますます出現しそうだ。