日本生活協同組合連合会(東京都/土屋敏夫会長:以下、日本生協連)および全国各地の生協は、「コープ商品」を特別価格で提供する「くらし応援全国キャンペーン」の第3弾を9月1日から11月末まで実施する。原材料費の高騰や円安を背景に食品の値上げが続いており、消費者の節約ムードが依然続いている。そうしたなか、日本生協連はどのように組合員の暮らしを応援するのか、キャンペーンの内容について解説する。
続く消費者の節約ムード
日本生協連が発表した「くらし応援全国キャンペーン」は、暮らしに身近な商品を選定し、組合員に特別価格で提供するとういもので今回が3回目となる。第1弾は23年1~3月、第2弾は同年9~11月に実施。対象となる全国共通商品は第2弾の160品目から約180品目まで拡充し、それ以外にも各生協で値引き対象商品を設ける。値引き率は各生協で異なるものの約10%を目安としており、実施期間は9月1日から11月末までの3カ月間。総供給高目標は160億円とした。
日本生協連が7月25日に公表した「組合員対象の節約と値上げの意識についてのアンケート調査 」では、回答者全体の約94%が「日頃から節約を意識している」と回答した。また若年層は、コストパフォーマンスの高い商品や、グラム・個数あたりの価格の安さを見て食料品を購入する割合がほかの年代より高かった。
厚生労働省が8月6日に公表した24年6月の毎月勤労統計調査 では、1人当たりの実質賃金は27カ月ぶりのプラスとなるなど賃上げの動きがみられたものの、日本生協連の営業本部営業企画部部長の多喜靖次氏は「今後も消費者の節約意識は強い状態が続くだろう」と警戒感を示した。
冷食などの拡充で「くらし」を応援
キャンペーンの対象商品も拡充する。第2弾実施時に、宅配・店舗ともに利用が多かったのが、日配食品と加工食品だ。今回は「生協の良さを感じることができる」商品として、カップスープやトマトケチャップなどを追加した。
さらに、ニーズの高い冷凍食品の品数を8品から29品に増やしている。
冷凍食品については、「餃子」や「えびグラタン」などの売れ行きが前回のキャンペーンで好調だったという。その結果を踏まえ、第3弾では若年層の利用が多かった「焼きおにぎり」「エビピラフ」「たこ焼き」などの冷凍食品や、同社のロングセラー商品である「骨とりさばのみぞれ煮」「骨とりさばの味噌煮」を対象商品に追加した。コスパを求める若年層にも目を向け、人気の冷凍食品をお得な価格で提供したい考えだ。
また、はごろもフーズとのダブルブランド商品である「COOP&はごろも シーチキンマイルド」など、生活に身近な加工食品も拡充する。日本生協連の営業本部営業企画部リテールサポートグループグループマネージャー佐野公彦氏が「昨年のキャンペーンで最も利用が伸びたと言っても過言ではない」と話したのは「風味かまぼこ」だ。ニーズに応え、トレータイプの「サラダフレーク」もキャンペーン対象に追加した。
多喜氏は「季節の変わり目であり新学期も始まる9月のタイミングで、全国の組合員の暮らしをよりサポートできれば」とキャンペーンの方針を語った。