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2019年春・夏の「新商品」ヒットランキング発表!消費者から高い評価を得られた商品とは!?

2019年 春夏 新商品ヒットランキング

新商品の登場は来店客に楽しみをもたらすと同時に、売場の鮮度感を上げてくれる。もちろん、カテゴリーの活性化にもつなが る。そこで今回、2019年春・夏の新商品を対象に売上に寄与している新商品を調査。本特集(全4回)では、とくに注目すべきカテゴリーについてヒットの要因を探ってみた。

「ありそうでなかった」商品に高い評価

 2019年2月~6月までに新商品・リニューアル新商品として発売された商品において、19年2月~9月までの8カ月間の売上を集計し、期間金額PIでランキングを抽出したところ(販売店率20%以上の商品が対象)、カテゴリーごとのランキング1位商品は、下記の図表に示す結果となった。ライフスタイルや価値観が多様化する今、大ヒット商品は生まれにくい。しかしながら、消費者の潜在的ニーズをとらえた商品は確実に受け入れられている。つまり、“ありそうでなかった商品”だ。その最たるものが、サントリーホールディングスの「GREENDA・KA・RAやさしい麦茶濃縮タイプ」。水とまぜるだけで、お好みの濃さに合わせて1~2Lの麦茶が簡単にできる濃縮タイプの180g缶入り麦茶だ。時短・省スペース・持ち運びも手軽であることから、小さな子供のいるファミリーや働く主婦などから高い支持を得た。

 また、プリマハムの「食彩の一皿切り落とし角切りベーコン」もこれまでにない発想の、ありそうでなかった商品だ。スライスタイプが主流のベーコンカテゴリーにおいて厚切りタイプの潜在需要に着目し、包丁いらずの切り落としタイプに仕上げたことで、調理の簡便さを実現。お肉の代わりにさまざまな料理に活用できる点も好評で、売上を伸ばしている。

図表 主要カテゴリーにおける新商品ヒットランキング1位の商品 出典:KSP-POS(食品SM)に基づきダイヤモンド・リテイルメディアにて集計。期間は2019年2月~9月まで、販売店率20%以上の商品が対象。

利便性を高めて新たなファンを獲得

 一方で、既存の人気商品の仕様を変更したことで、ヒットにつながっている新商品も少なくない。たとえば、日本で初めて生原酒を缶容器で商品化したロングセラーブランド、菊水酒造の「ふなぐち菊水一番しぼり」だ。1972年の発売以来、200ml缶はどんな場所でも楽しめるしぼりたての生原酒として好評を博してきたが、2019年3月にリキャップが可能な500mlのアルミ缶を採用した新商品を投入。利便性を高めたことで、新たなユーザーを掘り起こしている。

 同様のケースとして、井村屋の「BOXやわもちミルク」も挙げられる。人気商品「やわもちアイス」シリーズから登場したマルチパックだが、レギュラーカップよりも小ぶりの80mlのミニサイズにしたことで、ちょっと甘いものが食べたい時に都合がいい。家庭でストックされるケースも多く、新たなファンを獲得している。

 このほか、サントリーホールディングスの「こだわり酒場のレモンサワー缶」のように食のブームをとらえた商品や、明治の「おいしい低脂肪乳」のように健康志向に応えた商品も好調だった。こうした消費者に寄り添った発想の新商品は売場づくりにも貢献しており、よりいっそう消費者にリーチしている。

 今特集は全4回でお送りします。以降3回にて、新商品のヒット事例についてご紹介します。第2回は17日午後公開予定です。お見逃しなく!