円安を背景とした原材料価格高騰の影響で消費者の節約志向は高まっている。安定的な需要に支えられてきた精肉部門だが、新たな切り口の商品政策(MD)が求められている。筆者が今年の夏商戦の切り口として提案したいのが、「肉バル」「頬張る」「ミートフェスティバル」からなる「バル三段活用」だ。
酒との相性を重視した「肉バルMD」
筆者が今夏の商戦の切り口として提案する「バル三段活用」のうち「肉バル」とは、酒との相性がいい精肉部門の商品──たとえばビールやスパークリングワインなどが、つい進んでしまうような一品を提案するMDだ。
具体的に言えば「馬刺し」「ローストビーフ」「ローストポーク」「ジンギスカン」「鴨ロースのスモーク」のほか、「ポークスペアリブ」「ビーフショートリブ」「ビーフトマフォークステーキ」「ポークリブチョップステーキ」など骨付き肉が挙げられる。
そのほか自社製造の肉総菜として「焼き豚」や「メンチカツ」「唐揚げ」、スパイスを利かせた「骨付きモモ肉の焼き鳥」なども「家飲み」にピッタリの商材だ。これらを「肉屋の総菜」などと銘打ち、POPや商品パッケージで「焼きたて」や「自社製造」を訴求するといいだろう。
商品のネーミングや売場での展開手法は、食欲や購買意欲を刺激する“シズル感”を意識したい。
本場アメリカ流の「肉を頬張る」楽しさを訴求
次に挙げる「頬張る」をキーワードとしたMDの軸となるのは、豪快にかぶりつけるかたまり肉や骨付き肉である。夏といえばバーベキューのシーズンであるが、日本では素材を揃えて鉄板で焼き上げるだけの「焼き肉」と似たような楽しみ方をする向きが強い。ゆえに、希少部位を中心に薄く、小さくカットした焼き肉用の肉がバーベキューの主役となることも少なくない。
一方で、
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