ピックルスコーポレーションは2022年2月、「ご飯がススム辛口キムチ」と「同カクテキ」のリニューアルを実施。「ご飯がススム辛口キムチ」が、2022年春・夏新商品ヒットランキングのキムチ部門でNo.1となるなど、キムチ市場の拡大に貢献している。
コロナ禍で大きく伸びたキムチ市場、裾野の広がりにつながる
近年のキムチ市場は、コロナ禍によって、家庭内食の機会が増えたこともあり、大きく成長してきた。キムチの人気ブランドである「ご飯がススム」シリーズを販売するピックルスコーポレーションも、この好調の波によって販売実績を伸ばしている。
同社執行役員・開発室長の奥富寿明氏は、「巣ごもり需要の拡大という背景もありますが、キムチに含まれる乳酸菌が免疫力向上につながるというイメージも広がり、コロナ禍において、機能性の面から注目されてきたという側面も大きいと思います」と言う。
そうしたなかで、2022年2月にシリーズ商品の「ご飯がススム辛口キムチ」と「ご飯がススムカクテキ」をリニューアル。さらに市場にインパクトを与える結果となった。リニューアルのねらいは、シリーズ商品をよりニーズに合った味わいに改良し、配荷率や認知度を高めること。そして、その結果として、主力の「ご飯がススムキムチ」に続く柱となる商品に育成することだった。
同社商品開発部開発室開発課の五十嵐真由佳氏は、具体的なリニューアルの内容について次のように言う。
「『ご飯がススム辛口キムチ』については、従来品で好評だった魚介の濃厚さはそのままに、辛さとにんにく感をパワーアップし、ご飯はもちろん、おつまみとしても合う味わいに仕上げています。店頭でレギュラータイプと合わせて陳列していただくために、シリーズ商品それぞれの個性をより際立たせ、食シーンの違いを打ち出そうと考えました」
同時にパッケージデザインを改良して、シリーズ商品としての統一感を出したほか、包装パッケージ印刷に使用するインクを植物性のバイオマスインキに切り替えている。従来の油性グラビアインクと比較して、CO2発生量が約10~20%削減されるという。この点について、パッケージ側面には日本有機資源協会の認定番号が記載された「バイオマスマーク」を表示するなど、周知を図っている。
旬の白菜を訴求するために多様なプロモーションを展開
また同時にリニューアルを行った「ご飯がススムカクテキ」については、好評なかつおの風味はそのままに、すっきりとした甘さと、アクセントとしてピリッとした辛さを加えるなど、ブラッシュアップを行った。
「いずれも、よりおいしく食べていただきたいという想いで、さまざまな分析を行い、改良を加えています。シリーズ商品を店頭で同時展開することで、かなりの相乗効果が生まれている事例も多いので、今後はそうした提案を強化していく方針です」(奥富氏)
また白菜の旬に合わせた販促施策も展開していく予定だ。レギュラー商品については、11月には「増量キャンペーン」を実施。実質的な値下げで“家計応援”という意味合いもある。
冬には、キムチ鍋などで需要が高まる時期により多くの人に食べてもらうことを目的として同社が制定した、2月26日の「ご飯がススムキムチの日」に合わせた訴求も、例年どおり展開する予定だ。
キャンペーン情報などは、InstagramやTwitter、FacebookなどのSNSを活用して拡散していく予定だ。そのほかレシピ提案に加え、ユーザーからレシピ募集するなど、さまざまなかたちでコミュニケーション戦略を強化していくことで店頭販促をサポートしていく方針だ。