長引くコロナ禍の影響に、ウクライナ情勢を発端とする諸問題も加わり、企業、消費者ともに八方ふさがりの状態に陥っている。そうしたなか、競合との差別化が難しく、また価格競争の主戦場にもなる加工食品カテゴリーでは、どのような商品政策(MD)や売場づくりを実践するべきか。その方向性を解説したい。
キーワードは「健康」「巣ごもり」
まずは、現在の消費者を取り巻く環境と新たな消費傾向を押さえたい。
新型コロナウイルス感染症が広がってから3年が経過しようとしている。こうしたなか、シニア層だけでなく若年層も含めて、罹患しないように「免疫力・殺菌力を高めたい」といった健康需要が高まっている。たとえば、ペットボトル入りの緑茶ではカテキン配合を訴求した商品が、のど飴では「浅田飴」「VICKS」など薬品メーカーが提供する殺菌力が証明された商品が注目されている。また、コロナ禍では外出控えや在宅ワークが定着し「巣ごもり需要」も生まれた。この「健康需要」と「巣ごもり需要」は、現在の消費におけるキーワードとして押さえておきたい。
外部環境では、ウクライナ問題や円安などによって、小麦粉や食用油などの原材料価格が高騰。また、原油高に伴って包装資材や物流費も上昇し、各社で値上げが続いている。
帝国データバンクの調査では、10月には2022年で最多の6500品目が値上げする予定で、今年中にその品目数は2万以上となる見込み。平均値上げ率は14%と予想されている。このように物価が高くなる一方で、賃金は上がっていない。
自店でチェックしたい「5適」「8C」
こうした厳しい環境下だからこそ、食品小売企業各社で再度徹底したいのが、
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