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今からでも抑えておきたい、国分グループが提案する2022食の10大トレンドとは

国分グループ本社は、「第56回スーパーマーケット・トレードショー2022」の出展ブース内において、Nextブレークオーディションとして「2022年 イチ推しのトレンド」をパネルにて紹介していた。同ショーの開催は2月だったのであれから3ヶ月あまり。改めてそのトレンドを紹介するとともに、アフターコロナが見え始めたいま、そのトレンドの状況も確認したい。

LanaSweet/istock

絶対的なトレンドから
提案で差別化するトレンドまで

売場にトレンドを持ち込むことで、店頭に変化や鮮度を与えることができる。「売場に楽しさを求める」人が増えており、たくさんの店の中から選ばれる店づくりをする必要性が高まっている食品小売業にとって、トレンドは欠かせないものになっている。国分グループ本社が提案する10大トレンドを改めていま挙げながら、そのトレンドの状況も確認していきたい。

トレンド1:「ゲーミングアイテム」

その展示によると、トレンドキーワードのトップは、半径1メートルの新世界「ゲーミングアイテム」。

「eスポーツ」が2022年9月開催のアジア競技大会(中国)で初めて正式種目に選出。競技人口も急速に拡大しており、2023年までに全世界で30億人に達するといわれている。今後、ゲーム愛好者をターゲットにしたゲーミング商品が続々登場し、2022年は大きな話題になるのではないかということから、同スペースでは「ワンハンド」、「栄養補給」に注目している。

以下、順を追って、トレンド10まで、キーワードを見ていこう。

トレンド2:「韓流パン」

最近の韓流食ブームのなか、チーズダッカルビ、チーズドッグ、ハットグ、キンパ、高級かき氷、いちごあめなどが、注目を集めていたが、2022年は、それらに続いて、「マヌルパン」「クァベギ」が熱くなるという。

「マヌルパン」は、韓国の人気屋台グルメになっている進化系ガーリックパン。たっぷりのガーリックバターを染み込ませたパンに、砂糖やはちみつで甘味を加えたクリームチーズを挟んでいるのが特徴だ。一方、「クァベギ」は揚げたドーナツに砂糖をまぶしたパン。ただそれだけでは見た目が地味なため、韓国では「映えクァベギ」が次のトレンドグルメとして注目されている。本オンラインでもすでに「韓流パン」トレンドの記事を出しているように、注目度は高まっている。セブンイレブンが今年2月、ローソンが4月にマヌルパンを販売するなど、小売においても商品化の動きが進んでおり、スーパーマーケット(SM)店頭でお見掛けるする日も近いかもしれない。

トレンド3:「超越アレンジ」

「外食」×「メーカー」×「インフルエンサー」といった、常識破りのコラボ「超越アレンジ」が話題を呼ぶとの見方だ。

トレンド4:「やさしい包材」

食品包装専門商社、折兼が提案する環境に優しい包材、容器の展示

これまでは、使いすぎを防いだり、鮮度を保ったりできる利便性を高める商品が数多く登場してきたが、2022年は「便利のその先へ……」ということで、商品から容器へとその関心の幅が広がる。「環境負荷低減への取り組み」として、二酸化炭素(CO2)の排出量や使用資材を削減する容器にも注目が集まるだろう。

これについては、すでにSM、総合スーパー(GMS)では大手、あるいは環境対応に力を入れる中小小売を中心にプラスチック使用量の削減に向けた取り組みが進む。従来の容器よりも割高で、かつ消費者の節約志向が高まるなかで、消費者の関心と理解をしてもらう提案が欠かせないだろう。

トレンド5:「サーキュラーフード」

サーキュラーフードというのは、持続可能な社会の実現にあたり、「環境負荷の低減をめざし、かつ食品ロスを主要原料として活用すべく開発され、新技術を用いて生産された、食材および食品」のこと。従来であれば、廃棄されていた部分を原材料にして商品化する食のアップサイクルがますます注目されている。

国分グループ本社は、JA全農、セブンイレブン・ジャパンと組んで地域限定で「大分県産完熟かぼすサワー」を販売しているが、これもサーキュラーフードのひとつ。完熟し黄色くなったかぼすは傷みやすいため広域での流通が難しく、ほとんどが大分県内での消費に留まっていたが、一般に広く見かける緑色のかぼすに比べ、甘味が増し、酸味が控えめになるという特性を生かして商品化したものだという。

国内ではオイシックスがいち早くアップサイクルに取り組み、その他ナチュラルローソンでも野菜の皮や茎を使ったお菓子などが販売開始されたばかり。このトレンドはいっそう強まりそうだ。

ちむどんどん効果に
いまや街中で見られる現象も

前半5つのトレンドはかなり小売店頭でも注目が集まっているものばかり。次いで6〜10のトレンドを見ていこう。

トレンド6:「“ちょい”手間」

“ちょっとした”手間をかけて完成させるという、最後の“ひと手間”とも言えないくらいの“手間”をあえてかける商品が注目されるという。

手抜きに見えないおすすめ食品として、フライドオニオン、ミックスビーンズ、コーン、ごま、糸唐辛子、パセリ、粗挽きこしょう、生クリーム、ナッツ(スライスアーモンド、砕いたピスタチオ)、チョコソース、粉糖などがあげられている。

トレンド7:「沖縄ブーム」

2022年515日に、沖縄県が本土復帰50周年を迎える。桐谷健太主演の映画「ミラクルシティコザ」、NHKの朝ドラ「ちむどんどん」をはじめ、沖縄をテーマにしたイベントも多く、沖縄発の商品が大きく注目を集める。

沖縄フードを集めたフェアは年間通じて鉄板の人気イベントだけに、さらに盛り上がりが期待できそうだ。

トレンド8:「セレンディピティとパーソナライズ」

セレンディピティとは、「偶然の出会いを楽しみたい」という“意外性”や“偶然性”を現す言葉で、「人やモノとの思いがけない出会い、予想外の発見」がトレンドのひとつになるのではないか、という見立てをしている。このセレンディピティとある意味、対極にあるのが、過去の行動をもとにAI(人工知能)が分析し提案する、パーソナライズだ。

トレンド9:「なんでも自販機」

自販機で専門性の高い食品が売られる時代になった

飲料自販機の普及台数は年々減少傾向にあったが、コロナ禍での非接触、非対面への関心の高まりから、自動販売機の機能に注目が集まっている。ここでは、国分のブランド「缶つま」に合わせて1回500円の「缶つまガチャ」を紹介していたが、別の展示会ではIoT機能を備え、遠隔で品質管理、在庫管理なども可能な、多機能自販機がその存在感を増してきている。

すでに国内では、冷凍ラーメン、焼き芋、バターサンド、弁当、昆虫食など、あらゆるものが自販機化している。ネタ消費的なものも多いが、品質管理と保存機能、人手がいらないという自販機がコロナ禍で花開いた格好だ。アフターコロナに向かう中、このトレンドがどうなるのかに注目だ。

トレンド10:モノからコトまで「クラフト〇〇〇」

「クラフト」とは本来「手作り」という意味。2021年はパッケージのおしゃれさもあってクラフトビールや、クラフトジンなど人気になったが、2022年は自分で作る「クラフトドリンク」が大きく広がるという。サングリアやビネガードリンクなど、ちょっとした手作り感で楽しめるおしゃれなドリンクは、見た目も映えるため、若い世代に人気になるだろうと。

すでに巷では、クラフトコーラが話題になっている。

 

2022年も間もなく半ば。ここで“イチ推し”されたトレンド候補は概ね良い動きをしていると言って良さそうだし、単なるプチトレンドから定着するもの、さらに拡大するものもあるだろう。これからの売場づくりにおいても、これらのキーワードを頭に入れておきたい。