長期化するコロナ禍においてスーパーマーケット(SM)の多くは実績を伸ばした。今年でコロナ禍は収束が予測されるが、売上はどうなるだろうか。青果部門は気候に大きく左右される農産物を取り扱うため、相場変動により単価が変わり、売上高は不安定になりがちだ。しかし、変化に対応する能力・技量があれば業績は伸ばせる。本稿では2022年夏に向けた販促のポイントを紹介する。
旬の商材は情報把握が不可欠
コロナ禍でSM業界は全体的に好調だが、実は青果部門は苦戦している。昨年は年間を通じて単価安商品が多く、青果部門では前年の売上高を割る企業が多かった。今年はコロナ禍収束により飲食店が盛り返すことが予想されるため、SMの事業環境は厳しくなるだろう。
昨年夏期の青果卸売市場の売上高対前年同期比(図表❶)を見ると、野菜が前年割れし、果実が前年超えだった。青果部門は、野菜の構成比が65~70%、果実が35~30%であるため、野菜が前年割れとなるとトータルでも前年割れになる。昨年不振だった商品を特定し、今年は細かな販促計画が必要だ。
青果部門の夏の販促は、初夏の5月から8月のお盆商戦まで。盆明けは秋の販促企画となる。販促では、まず季節催事を優先し、次に旬の商品の提案を考える。夏は単品での売上高構成比が高い人気の国内果実が出回る一方、野菜は単品売上高構成比の小さい旬の商品が増える。旬の商品は販売期間が短いため、販売チャンスを逃さないように商品情報を把握したうえで販売計画を作成することが必要だ。過去の販売実績、売場レイアウト、商品化、売場写真などの資料を準備し、図表❷のようにさまざまな切り口で計画を立てよう。
ここで夏期の販促における注意点を述べておきたい。夏は価格や品質、鮮度、味、産地、出回りなどさまざまな面で変化が多い商品の取り扱いが増える。そのため、情報を的確に収集し販売活動に生かすことが必要だ。具体的には、「旬商品の出回りの的確な把握」を意識したい。今年の出回り期間、生育状況、相場予想、商品の特徴などを単品ごとに正確に把握すべきだ。また、「販売計画の精度アップ」も図りたい。過去の販売計画を修正し、今期の商品情報に適合した計画を作成する。今期の商品情報から推測した売上予測とギャップ対策を考え、予算が達成できるように計画を組み立てるべきだ。
ラッキョ・梅は本漬けを提案
ここからは月別に夏期の販売のポイントについて述べる。6月の野菜では、
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