ペティオの犬用おやつ「かわいくたべちゃう!」シリーズが、愛犬とオーナーのコミュニケーションツールとして人気となり好調に推移している。また、猫用ウエットフード「魚まろ」シリーズも発売し、素材感と値ごろな価格設定で注目されている。
この記事のキーポイント
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市場の価格競争やバリエーション不足に対し、「愛犬とオーナーのコミュニケーション」という新たな価値観を商品に付与することで差別化に成功している。
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犬が前脚で持つ、誕生日デコレーションに使えるなど、オーナーがSNSで共有したくなる 「 可愛らしい行動」や「イベント」と結びつく要素を意図的に設計に取り入れている。
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猫用ウェットフードのユーザーが抱える「食べ飽き」や「価格上昇」という具体的な不満に対し、「素材の旨み」と「値ごろ感」で応える商品を開発・投入する戦略をとっている
バリエーションも豊富「かわいくたべちゃう!」
ペティオの「かわいくたべちゃう!」は、低脂肪の鶏ササミを独自のロール形状に仕上げた犬用のおやつブランドだ。同ブランドの発売は2006年。当時の犬用おやつ市場はジャーキーやガムなどの定番品が中心で価格競争が激しく、商品バリエーションが乏しかった。そうしたなか、ペティオは「愛犬とオーナーのコミュニケーションツール」として、どんな犬種にも食べやすく与えやすいおやつをめざして開発を進めた。
「かわいくたべちゃう!ササミ」は、犬が前脚で持って食べる姿が可愛いと話題になり、保存料・着色料不使用といった品質面でも支持を集め、長年にわたり堅調な売上を維持。「ダイヤモンド・チェーンストア」25年2月15日号掲載の「2024年春・夏売上伸長率ランキング」では、「ササミ 7本入」が「いぬ・スナック」伸長率No.1※となるなど、人気おやつシリーズとしての地位を確立している。
17年にはペーストタイプの「かわいくなめちゃう!」を展開し、さつまいもや完熟りんごなどのフレーバーを追加。さらに、ホイップクリーム風の「ホイップスティック」や星・数字型の「ポップスティック」「ナンバースティック」など、形状や用途の幅を広げ、選ぶ楽しさを提案している。
特に「ナンバースティック」は、誕生日ケーキのデコレーションにも使えることからSNSでの投稿が増加。InstagramやX(旧Twitter)などでの拡散がブランドの飛躍に大きく貢献している。
今秋には新たに「かわいくたべちゃう!デンタルファイバースティック」を発売。同品は細切り牛皮を使用した小型犬にも食べやすいスティック形状のデンタルガムとなっている。
※KSP-POS(食品SM)に基づきダイヤモンド・リテイルメディアにて集計。2024年4月から9月までの金額増減率でランキングを抽出。金額構成比1 % 以上の商品が対象(C G C商品は除外)。対象期間の前年4月までに出現のない商品は除外
魚のほぐし身をたっぷり使用した「魚まろ」シリーズ
猫の飼育頭数が増加傾向にあり、伸長カテゴリーの猫用フード。なかでも猫用ウエットフードカテゴリーはとくに伸長傾向にある。市場は原材料費や物流費等のコストが大幅に上昇したため、缶詰タイプを中心にアイテム整理や価格改定が進められ缶詰からパウチ主体へと形状が変化している。
猫用ウエットフードは副食中心のカテゴリーではあるが、猫が水分補給をする上でも必要不可欠なカテゴリーだ。飼い主向けのアンケート調査によると、回答者の約7割がウエットフードを「与えている」と回答。与えている頻度はほぼ毎日で1日2回以上、もしくは1日に1回という回答が全体の約7割を占めた。
またウエットフードの不満点について「食べない時、食べ飽きることがある」「価格が値上がりした」が上位に来ており、食いつきのよさに加え、値ごろ感のある価格も重要であることがわかった。
新商品の「魚まろ」はかつおとまぐろのほぐし身を贅沢に使用した素材の旨みが生きた猫用ウエットフード。穀物アレルギーに配慮したグレインフリー商品で、着色料、調味料無添加の点も特長だ。1袋と4袋入の展開で、4袋入は多頭飼いや毎日与えるユーザーにもぴったりの商品となっている。
ペティオは愛犬・愛猫ユーザーのニーズに合わせた幅広い商品展開で、カテゴリーの拡大をめざしていきたいとしている。