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カリフォルニア産くるみのおいしさや健康価値を店頭から発信

カリフォルニア くるみ協会 ロゴカリフォルニア産くるみのPR、販売促進、調査などを企画・実施しているカリフォルニア くるみ協会。くるみの栄養や汎用性を訴求するため、小売業と協働で健康価値を伝えるプロモーションを全国的に展開し、カリフォルニア産くるみの魅力を伝えている。

健康訴求や多様な食シーンで広がる“くるみ”需要

 日本国内で流通するくるみの98%以上はカリフォルニア産であり、この10年で輸入量は25%も増加している。コロナ禍以降、消費者の健康意識が高まるなか、くるみはヘルシーな食品として手に取る消費者が増えており、さらにこの数年、製菓・製パン、総菜や外食メニューなどの幅広い分野でも、くるみを使用した商品開発が広がりを見せている。

 1987年設立のカリフォルニア くるみ協会は、カリフォルニア州の4600以上のくるみ生産者と、70社に及ぶ加工・販売業者を代表する非営利団体だ。日本をはじめ、世界9ヵ国を拠点に、世界の輸出市場の開拓活動にかかわり、くるみの健康に関する研究を実施している。

 日本では主に、小売、ベーカリー、外食、中食、健康の専門家、消費者に向けた活動を通して、くるみの販促と栄養や食べ方の啓蒙活動に取り組んでいる。2024年は、くるみに含まれるオメガ3脂肪酸の健康効果への認知・理解促進を目指した“木になるオメガ3”をテーマに、TVer広告、小売、外食、中食でプロモーションを実施。

 毎日手軽に食べられ、くるみと親和性の高いヨーグルトやサラダとの食べ方提案を切り口に、幅広い消費者層にカリフォルニア産くるみの魅力を伝えることで、需要喚起を促した。

 くるみの最大市場であるベーカリー業界の活性化に向けて長年取り組んでいるのが、毎年一番人気のくるみパンを決める「くるみパン オブ・ザ・イヤー」だ。

 今年は普段くるみパンを購入しない消費者層にも認知してもらうことを目指し、オープンキャンペーン形式で実施。ホールセールとリテールベーカリーを合わせて約100万以上の応募があり、くるみパンの人気を再認識したプロモーションとなった。

 カリフォルニア くるみ協会は、30年以上にわたり、くるみの摂取と健康にかかわる調査・研究に取り組んできた。24年6月には、「カリフォルニア産くるみ」は「α-リノレン酸が含まれており、悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる機能、血圧が高めの方の血圧を低下させる機能があることが報告されている」といった機能性表示が認められた。

 機能性表示食品として表示できるカリフォルニア産くるみは、さらに注目度が増すことが期待される。

 また同協会は25年4月24日に「世界くるみサミットin Tokyo」の開催を予定している。海外の研究者を東京に招聘し、くるみの栄養価や健康効果に関する最新研究結果を発表するシンポジウムや、著名人によるイベントの実施を予定している。世界のくるみ料理を提供することで、くるみの栄養について学べるだけでなく、実際においしさや汎用性を体験できる企画になっている。

くるみとヨーグルト、サラダなどクロス販売で販促効果絶大

 カリフォルニア くるみ協会では、くるみの健康効果、汎用性、おいしさの認知促進を目指し、クロス販売をテーマにした店頭プロモーションに注力している。今期はくるみとヨーグルトやサラダといったクロス販売をテーマに、イオン北海道、イトーヨーカドー、オオゼキ、コストコ・ホールセール、セブンスター、サンベルクス、富澤商店、ヨークベニマルなど小売チェーン約600店舗で店頭プロモーションを実施した。同協会による販促POPの提供や試食販売などの販促サポートの結果、参加店舗はくるみの売上が上がったことを実感することができた。

サンベルクス足立花畑中央店グロサリー担当 田畑氏

 24年春にプロモーションを行ったサンベルクス(東京都/鈴木秀夫社長)の店頭では、朝食をテーマに、くるみとヨーグルト、シリアル、ドライフルーツとのクロス販売を実施。レジ前の特設売場をはじめ、ヨーグルトやグロサリー売場など複数売場でのプロモーションを展開した。

 足立花畑中央店グロサリー担当の田畑氏は「消費者の動向を見るとナッツとの組み合わせやおつまみ需要が多い。また、くるみとヨーグルトの関連販売に初めて取り組んだが予想以上に売上の反応が高く驚いた。今後も、くるみの製品特徴を理解して売場を仕掛けていきたい」と語る。

くるみ×ヨーグルト試食販売イメージ

ID-POSデータ分析からひも解く
高単価商材としてのくるみの可能性

 セブンスター(愛媛県/玉置泰社長)では、同社10店舗を対象に、2年間のID-POSデータ分析を実施。客数、購入頻度、客単価のデータをもとに、店舗売上におけるくるみ単品での貢献度やくるみと同時購入されやすい商品を調査した。

 分析を行ったIDプラスアイの鈴木聖一氏によると、今回分析対象となった菓子・グロサリー売場に属するくるみ2商品と青果売場に属する1商品は、いずれもカテゴリーを代表する商品であり、同商品における店舗貢献度は、全体平均(4万2471品中)の約2倍と極めて高いことが示唆されている。

 また訪問頻度が高い月間購買金額4万円以上の客層が、主なくるみの購入者という結果から、リピーターの多い商品であることが分析から推測される。

セブンスターのくるみ売場

 さらに、くるみとの併買の相性を見るバスケット分析では、菓子・グロサリー売場に属するくるみは、ヨーグルトや他のナッツとの相性が高い一方、青果売場では、さば南蛮漬けなどの海産物、柑橘類やバナナなどの果物、そして九条ネギやそばつゆといった商品との相性が高いことが明らかになった。とくに青果売場においては、くるみを購入した人が別の商品も一緒に購入する際、その相性の良さを示す指標(リフト値)が複数の商品で高い傾向が示された。

株式会社セブンスターMD部営業企画マネジャー二宮晃氏

 セブンスターのMD部営業企画マネジャーを務める二宮晃氏は、今回の取り組みについて「24年9月には朝食フェアをテーマに、くるみとヨーグルトとのクロス販売のほか、青果売場でのバナナとの関連販売、一部店舗で野菜ジュースやシリアルとの関連販売を実施した。

 10店舗での売上平均は、昨年対比でくるみは237.50%、プレーンヨーグルトは448.93%と好調となった。くるみは高単価品であり単品での売り方が難しいが、今後はくるみパンのフェアやくるみの日に合わせたプロモーションなど、新たな売り方も考えていきたい」と思いを語っている。