健康への関心度が高まるなか、クロレラ食品ハックの「乳酸菌飲料 GABA」が注目されている。各種健康機能を持つ機能性表示食品で、今年3月の発売以降、計画を大きく超える売れ行きだ。その特徴はどのようなものか。同社の取り組みとあわせレポートする。
「健康」「環境」関連商品を強化、パッケージ刷新し機能訴求
クロレラ食品ハックは、京都に本社を置く飲料メーカー。おもな商品カテゴリーは、乳製品乳酸菌飲料、乳酸菌飲料、カップ飲料・清涼飲料水で、とりわけ「健康」「環境」に関連する商品に力を入れる。
直近では、1本で1日分の鉄分(6.9mg)と葉酸(120μg)が摂れるプルーン味の栄養機能食品「1本で1日分の鉄分+葉酸」を刷新、地道にラインアップを充実させている。
そんな同社が今年3月に発売したのが「乳酸菌飲料 GABA」。脳の興奮を抑え、ストレスを和らげる働きがある話題成分「GABA」を配合した、各種健康機能を持つ機能性表示食品だ。具体的には「睡眠の質向上」「精神的ストレスや疲労感を緩和」「高めの血圧を下げる」をうたう。
発売以降、計画額の3倍が売れ、消費者から好評を博す。同社調査によれば、とくに30〜50代からの支持を獲得する。ダイヤモンド・チェーンストア誌の「2023年春・夏新商品ヒットランキング」の乳酸菌飲料部門においても、「乳酸菌飲料 GABA」が堂々1位に輝いた。
同社企画課の石橋健二課長は「数年来、多くの現代人が悩む睡眠不足の解消にスポットを当てた商品開発を進めていた。消費者の関心度は高く、ニーズにマッチした商品である」と話す。
反響を受け、10月には3つの機能をわかりやすく表現したパッケージに変更するなど、商品に磨きをかける。さらに来春には、付加価値を高めたリニューアルも計画する。
リーズナブルな価格も魅力、果汁を使ったユニーク商品
同社には「乳酸菌飲料 GABA」への問い合わせが相次いでいる。同時に、商品を新たに採用する食品スーパー(SM)企業も増加傾向にある。
小売各社からのアプローチが多い理由は、各種機能の有用性はもちろんのこと、リーズナブルな価格設定も魅力的だからだ。他の同等品と比較し、数割安いため、SMは健康意識の高い顧客に対して習慣的な愛飲を提案しやすいメリットがある。
好調を続ける「乳酸菌飲料 GABA」だが、同社では小売各社の売場をサポートする活動にも取り組む。
商品の価値を訴求する販促ツールの提供はそのひとつだ。「3つの機能」「睡眠質の向上」「ストレス軽減高めの血圧にもGABA」と記したPOPを作成。商品を売場に陳列する際、このPOPを添えると商品の価値を来店客に訴求することができる。
同社ではユニークな商品も展開する。今年12月に発売するのは「旅するくだもの日向夏スムージー」。国産果実を使用し、旬の時期に合わせたこだわりの飲料「旅するくだもの」シリーズの第2弾で、今回は宮崎県産の日向夏を使用した。
ほかにも大手流通企業の独自商品を製造するなど、各社留型アイテムへの対応も行う考えだ。
石橋課長は「キャンペーンを実施するなど、楽しい企画も計画している。今後も、小売各社さまの売場を活性化する各種施策に取り組みたい」と意気込みを口にする。