大手企業による寡占化が進む欧州小売市場において、近年著しい成長を示しているのが、オランダを本拠とするディスカウントストア(DS)、アクション(Action)だ。非食品を軸に強烈な価格訴求を行う特徴的なフォーマットで欧州各国に進出し、業績はうなぎのぼりの状態。なぜアクションは支持を集めているのか、同社の戦略を解説する。※1ユーロ=155円換算
売上高は5年間で約2.6倍に
1993年にオランダ北部エンクホイゼンで創業したアクションは、欧州で最も急速に成長している、非食品特化型のDSである。
2022年度の売上高は、対前年度比29.6%増の88億5900万ユーロ(約1兆3731億円)に上り、17年度の34億1800ユーロ(約5298億円)からわずか5年間で約2.6倍に伸長した。23年度上半期も好調を維持し、売上高は対前年同期比33.5%増の52億ユーロ(約8060億円)となっている。
近年の売上急伸の背景にあるのは、出店ペースの加速と事業エリアの拡大である。新規出店数は21年度が267店舗、22年度が280店舗で推移しており、22年度末時点の店舗数は欧州10カ国で計2263店舗に及ぶ。オランダの企業であるが、国別の店舗数ではフランスが726店舗で最も多く、それ以下はドイツ(481店舗)、オランダ(408店舗)、ポーランド(256店舗)と続く。さらに今年3月には、11カ国目となる東欧・スロバキアにも進出した。
また、17年度以降の既存店売上高をみると、コロナ禍でのロックダウン(都市封鎖)に伴って店舗の休業が相次いだ20年度を除き、前年度実績を上回っている。とくに21年度は対前年度比11.0%増と2ケタ伸長を遂げ、さらに22年度にはそれを上回る同18.1%増の成長率を示している。23年度上半期も対前年同期比21.8%増と、依然好調に推移している。
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さて、アクションの強みは、
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