スターバックス(Starbucks)が中国市場における大胆な戦略を打ち出し、業界関係者を驚かせている。同社が発表した「2025 中国戦略ビジョン」によると、中国国内の店舗数を現状の約6000店舗から、2025年までに3000店舗を新規出店し、300都市・9000店舗体制を築くという。
北京や上海、広州といった日本でもよく知られている都市は、中国では一線・新一線・二線都市として分類され、その数は現在49都市。それ以外の地方都市や農村は俗に「下沈市場」と呼ばれる。スターバックスは、この下沈市場にまで出店するというのだ。「スターバックスが本気を出した」という声もあれば、「無謀な拡大計画だ」との指摘もあり、評価が割れている。
後発の台頭に頭を抱えるスタバ
スターバックスは中国において、コーヒー文化を定着させた“コーヒー老師(=先生)”とも称されるが、近年は“弟子”たちが育ってきてライバルとなり、その地位は脅かされつつある。
とくに強力なのが18年に創業した瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)で、同社の店舗数は22年9月末で7846店舗と、その数はすでにスターバックスを上回っている。営業収入面でも、22年度第3四半期時点ではスターバックスの中国事業が対前年同期比40%減の5億4400万ドルと大きく減収した一方、ラッキンコーヒーは4億2100億ドルと、両者の差は大きく縮まりつつある。
また、昨年から上海を中心とした大都市で、スペシャリティコーヒーのチェーンが続々と登場し、スターバックスの地位を脅かしている。
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