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全社的なリストラモードでアマゾン・ゴーも縮小…岐路に立つアマゾンの店舗事業

約30年続いた2ケタ成長から一転、成長の勢いにやや陰りが見え、社内ではリストラモードに入っているアマゾン(Amazon.com)。リストラの対象はリアル店舗事業にも及び、「アマゾンブックス」や「アマゾン・4スター」の全店閉鎖、さらにはかつて世界を沸かせたレジレス店舗「アマゾン・ゴー」も大きな曲がり角を迎えている。アマゾンのリアル店舗戦略の今後とは──。

アマゾンブックスは全店閉鎖

 アマゾン・ゴーも縮小今年3月下旬、アマゾンは9000人のレイオフを発表した。昨年9月の新規採用凍結に始まり、今回を含めて計2万7000人の人員削減となる。対象は本社部門で、「アレクサ」を主とするデバイス、小売、人事、顧客体験、テクノロジーソリューションズ、そして今回は利益率・成長率の大きいAWSや広告事業にもメスを入れている。

 リアル店舗のリストラも進んでおり、昨年3月にはアマゾンブックス、アマゾン・4スターの全68店を閉鎖。同年末にはすでに工事が完了し什器も設置されていたレジレス食品スーパー(SM)の「アマゾンフレッシュ」の新店の開業を凍結(推定計7店舗)、今年2月の第4四半期業績報告会ではアマゾン・ゴー8店舗と、アマゾンフレッシュの一部閉店も発表した。

 同報告会ではふだん登場しないアンディ・ジャシーCEOも登場し、アマゾン・ゴーとアマゾンフレッシュ閉店の理由について、「われわれが本当にこれだと考えるフォーマットが見つかるまで、スローダウンすることにした」と説明。“これだと考えるフォーマット”とは、「他社との差別化と経済的なバリューがあるもの」(同)だという。

 ジャシーCEOはさらに、コロナ禍の24カ月間で約2倍に増えたフルフィルメントセンターなどの物流倉庫を「過剰」と認め、昨年春から新規開発物件のキャンセルや建設延期、既存倉庫の一部サブリースを行っているとした。それ以外にも、第2本社ビルの工事休止、寄付プログラム「アマゾンスマイル」の廃止、社員向けの福利厚生である医療サービスの中止など、リストラの対象は枚挙にいとまがない。

 アマゾンの2022年度の売上高成長率は

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