[ロンドン 22日 ロイター] – 英政府は22日、二酸化炭素(CO2)の価格が400%上昇する可能性があるとして、食料生産業者に備えるように警告した。また、天然ガス卸売価格の高騰による鶏肉や食肉の不足を避けるため、緊急支援を実施した。
天然ガスは今年、新型コロナウイルス禍から経済活動が再開する中、アジアでのおう盛な需要を受けて高騰。関連産業に打撃を与えている。
CO2は、天然ガスを使う肥料生産の副産物としてできる。天然ガス価格急騰で一部の肥料工場が停止し、ビールや炭酸飲料、食肉生産に使うCO2が不足する事態になっている。
英政府は、国内の60%のCO2を供給する米肥料大手CFインダストリーズとの間で、ガス価格高で不採算となり停止していた2工場を再開することで合意した。
ユースティス環境相は、CO2価格が1トン当たり200ポンドから1000ポンド(1365ドル)に急騰する恐れがあると説明。CFインダストリーズへの支援は3週間で数百万あるいは数千万ポンドに及ぶ可能性があると述べた。合意の詳細は示さなかった。
政府はこれまで、七面鳥など伝統的なクリスマス料理に使う食材が不足するとの指摘を取り上げてこなかった。ただ、供給側からは不足を警告する声が上がっている。英スーパーマーケット「アイスランド」の幹部は、一時的な契約では問題解決にはならないと批判。「3週間の合意ではクリスマスの助けにならない。長期的な解決にもならない」と指摘した。
英家きん協議会は合意を歓迎したものの、人手不足に直面していることから、今年のクリスマス向け七面鳥の生産は20%減少すると推計した。