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米7月求人1093万件と過去最高、雇用のミスマッチ根強く

ニューヨークの街を歩く人
米労働省が8日に発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が前月比74万9000件増の1090万件と、2000年12月の統計開始以来の高水準となった。ニューヨークで8月撮影(2021年 ロイター/Eduardo Munoz)

[ワシントン 8日 ロイター] – 米労働省が8日に発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が前月比74万9000件増の1093万4000件と、2000年12月の統計開始以降で最高となった。求人件数は1月以降増加しており過去最高の更新は5カ月連続。

業種別では、医療関連や社会扶助、金融、保険、宿泊、食品サービスなどの分野で求人が増加した。地域別では北東部、南部、中西部、西部で求人数が増加した。

求人率は6.9%と、前月の6.5%から上昇。従業員数50─249人の中規模企業がけん引した。一方、従業員数5000人以上の大企業の求人率は低下した。

8月の雇用統計では雇用者数の増加ペースが失速したが、背景にあったのは労働需要の低下ではなく、むしろ労働力不足だった可能性がある。自発的な離職件数が増える中、労働市場に一定の信頼感がうかがえる。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、ジェニファー・リー氏は「労働市場が非常に逼迫しており、企業側はニーズに合った労働者を見つけるのに引き続き苦慮している」と指摘した。

一方、採用件数は16万件減少し666万7000件。小売業、耐久財製造業、教育サービス業で減少した一方、州・地方政府の教育部門や連邦政府部門は増加した。

採用率は4.5%と、前月の4.7%から低下した。大企業の採用率が低下した。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当主任エコノミスト、リディア・バウサー氏は「労働市場は今後数カ月間で引き続き一定の進展が見られるだろうが、深刻な労働力の不均衡が解消されるにはまだ時間がかかるだろう」と述べた。

自発的な離職件数は10万7000件増え397万7000件。卸売や政府の教育関連が伸びる一方、運輸、倉庫、公益などは反対に減少した。自発的な離職率は2.7%と横ばいだった。賃金上昇の先行指標である民間部門の自発的な離職率は3.0%から3.1%に上昇した。

レイオフ件数は10万5000件増加し145万9000件。レイオフ率は前月の0.9%から1.0%に上昇した。7月の求人件数1件に対する失業者の割合は0.83人だった。

インディード・ハイアリング・ラボの調査部門ディレクター、ニック・バンカー氏は「需要が鈍化、あるいは低迷しても、求職者は比較的有利な立場にある」と述べた。