[ムンバイ 16日 ロイター] – インドの料理宅配大手ゾマトの新規株式公開(IPO)に投資家の応募が殺到している。
同社には、中国の金融会社アント・グループが出資。応募倍率は、16日の締め切りを控え、26倍を上回り、大手機関投資家の応募は、割当枠の36倍超となった。
IPOでは13億ドルを調達する予定。仮条件は1株当たり72-76ルピー。株式時価総額は最大79億8000万ドルとなる。
ゾマトは今週開始したIPOに先立ち、タイガー・グローバル、ブラックロック、JPモルガン、モルガン・スタンレーなど186社の大手金融投資家から5億6200万ドルを調達した。
ゾマトは、事業拡大に向けて投資を強化するため、今後もコストと損失が膨らむとの見通しを示しているが、国内証券会社の幹部は「常軌を逸した需要がある。ものすごい熱気だ。個人投資家は上場で利益が得られるとみている」と指摘している。
インド株式市場は過去最高値付近で推移しており、デジタル企業の上場に関心が集まっている。
インドの決済サービス会社ペイティーエムは16日、国内規制当局に新規株式公開(IPO)を申請。 米ウォルマート傘下のインドの電子商取引大手フリップカートも上場を検討している。
ゾマトは主に料理宅配アプリを運営。国内526都市のレストラン、カフェ35万店と提携している。顧客は飲食店の席の予約や、レビューを掲載することもできる。
目論見書の草案によると、サービスの利用者は、毎月の平均で4150万人。同社のプラットフォーム上で処理した注文件数は2017-18年の3060万件から、19-20年には4億0310万件に急増した。
一部のアナリストは、同社がまだ利益を計上していないことなどを考えると、バリュエーションが高過ぎると分析している。