[ワシントン 15日 ロイター] – 米労働省が15日に発表した5月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.8%上昇と、4月の0.6%上昇から伸びが加速した。前年同月比の伸びも6.6%と、前月の6.2%を上回り、2010年11月以降で最大となった。
市場予想は前月比0.6%、前年比6.3%の伸びだった。
先週発表された5月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、前年同月比5.0%上昇し、2008年8月以来、約13年ぶりの大幅な伸びを記録した。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はインフレ高進は一過性と繰り返し主張しており、多くのエコノミストも同様の見方を示している。16日にかけて開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが予想されているが、エコノミストはテーパリング(量的緩和の縮小)に関する討議が開始されるかに注目している。
JPモルガンの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「パウエル議長はFOMCでテーパリングに関して討議したが、テーパリング開始に向けた『実質的な一段の進展』に米経済がまだ達していないと示唆するだろう」と指摘。PNCフィナンシャルのエコノミスト、ビル・アダムズ氏も「現在はインフレ圧力が高まっているが、下半期には収束する」とし、「FRBは今回のFOMCで、買い入れを減速させる前に回復に向けた一段の進展が必要との考えを改めて示すと予想される」と述べた。