[ワシントン 28日 ロイター] – 米商務省が28日に発表した4月の個人所得・消費統計は、連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食品・エネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数が前年同月比3.1%上昇し、1992年7月以来の大幅な伸びを記録した。市場予想は2.9%上昇だった。
総合でも前年比3.6%上昇した。
物価はFRBの目標である2%を上回り、経済再開に伴うペントアップ(先送り)需要の高まりを反映した。
コアPCE価格指数は前月比で0.7%上昇。前月の0.4%上昇から加速し、2001年10月以来の高い伸びとなった。市場予想は0.6%上昇。
PNCフィナンシャル・サービシズのシニアマクロエコノミスト、ガス・ファウチャー氏は「多くの商品が非常に力強い需要とサプライチェーン(供給網)の混乱の中で供給不足となっており、一部のサービス価格は消費活動の再開により急激に上昇している」と指摘。「一部の産業では労働力不足も物価上昇の要因となっている。ただ、これらの要因の多くは一過性のものであり、インフレ率は21年後半に鈍化するだろう」と述べた。
米国株は上昇したものの、インフレ圧力の高まりにより上値が抑制された。ドル指数は上昇。米債利回りは低下した。
消費支出(季節調整済み)は前月比0.5%増加し、市場予想と一致。モノが0.6%減となったことで、伸びは前月から鈍化した。
自動車など耐久消費財が0.5%増加する一方、非耐久消費財が1.3%減少した。サービス支出は娯楽、ホテル宿泊、レストランなどが牽引し1.1%増加した。
3月は4.7%増と、当初発表の4.2%増から上方改定された。
物価調整後の個人消費は0.1%減。前月は4.1%拡大していた。
個人所得は前月比13.1%減。3月の20.9%増から落ち込んだ。
消費拡大に伴い、貯蓄率は14.9%と、前月の27.7%から低下。しかし、引き続き高水準にある。
賃金は1%上昇と、伸びは前月から横ばいだった。