[ワシントン 30日 ロイター] – コンファレンス・ボード(CB)が30日に発表した3月の米消費者信頼感指数は109.7と、前月の90.4から上昇し、新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミック(世界的大流行)が始まった2020年3月以降で最も高くなった。
市場予想の96.9も上回り、政府の財政刺激策のほか、感染状況の改善により経済成長が加速するとの見方が裏付けられた。1カ月としての上昇は03年4月以来最大。ただ感染拡大前の20年2月の132.6と比べるとまだ大幅に低い水準にある。
現況指数は110.0と、前月の89.6から上昇。期待指数は109.6と、90.9から上昇した。
こうした中、1年先のインフレ期待は6.7%と、前月の6.5%から上昇し、11年3月以降で最高を記録した。
オックスフォード・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、リディア・バウサー氏は「ガソリンの急激な値上がりが信頼感を下押しし始めているもようだ」と指摘。「今年の個人消費の伸びは記録的な加速となる見通しだが、予想されるインフレ率の上昇が抑制要因になるだろう」と述べた。
職が十分とみる向きと就職が困難とみる向きとの差はプラス7.8と、前月のマイナス0.8から改善した。同指標は労働省が発表する失業率と連動しており、注目されている。
所得の増加を見込む向きは15.5%と、14.8%から上昇。ただ、減少を見込む向きも13.3%と、12.9%から上昇した。
コンファレンスボードの経済指標担当シニアディレクター、リン・フランコ氏は「消費者の間で楽観的な見方が広がっていることで、住宅や自動車などの高額の買い物をする意欲が増している」と指摘。ただ「ガソリン価格の上昇が主な要因となり短期的なインフレに対する懸念が台頭しており、これにより将来的に消費意欲に水が差される可能性もある」と述べた。