[ロンドン 19日 ロイター] – IHSマークイットが発表した2月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値は、総合指数が48.1となり、前月の47.8から上昇したほか、ロイター調査の予想48.0を上回った。
ただ、景況の拡大・悪化の分かれ目となる50を依然として下回っている。新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)措置がサービス部門に打撃となっている。
IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ロックダウン措置が続いていることは2月のサービス部門にさらなる打撃となった。第1・四半期にGDP(域内総生産)が再び縮小する可能性も高まっている」と述べた。
事業活動が上向いたのはこれまでの受注をこなしたことが一因でもある。受注残指数は前月の49.0から47.9へ低下した。
オックスフォード・エコノミクスのマッダレーナ・マルティーニ氏は2月のPMIについて「陽性率の高止まりと新たな(新型コロナ)変異株の広がりにより各国政府が厳しいロックダウン(都市封鎖)の延長を余儀なくされ、多くの企業が影響を受けているユーロ圏の現状を反映している」と指摘した。
サービス部門PMIは前月の45.4から44.7に低下。ロイター調査による予想中央値45.9を下回った。
ただ、ワクチン計画が加速する中、正常化への回帰期待も高まっており、1年後に対する楽観度合いは急速に改善。サービスビジネス期待指数は2018年4月以来の高水準となった。
ウィリアムソン氏は「力強い製造部門が維持されるとともに、ワクチン計画がサービス部門の成長を押し上げれば、今年下半期は堅調な回復が見込める」と語った。
INGのバート・コリン氏は「今年は経済成長が急激に回復し始めると予想しているが、ロックダウンが当面続く見込みのため、インフレ率が先に上昇するのは明らかだ」との見方を示した。
製造部門PMIは54.8から57.7に上昇。製造品に対する力強い需要を背景に2018年2月以来の高水準となったほか、ロイター調査による予想の54.3を大きく上回った。総合PMIに反映される生産指数は54.6から57.5に上昇した。
また、新規受注指数も上昇したほか、各工場はこの2年近くで初めて追加スタッフを雇用。雇用指数は49.4から50.9に上昇した。