米ウォルマートは5月から、注文を受けてから2時間以内に商品を宅配するサービス「エクスプレスデリバリー(Express Delivery)」を始めた。4月中旬から100店舗で試験運用を開始していたが、新型コロナウイルス感染拡大で宅配需要が高まっていることから本格展開を急ぐ。
エクスプレスデリバリーは5月初旬に約1000店舗、その翌週には約2000店舗にまで広げる。食品や日用品のほか家電製品、玩具など約16万点の商品を注文できる。10ドル前後の通常の宅配料金のほか、エクスプレスデリバリーの配達料10ドルが追加される。
同社は2019年秋から年会費98ドル(または月会費12.95ドル)を払うと配達料が無料となる会員制食品宅配サービス「デリバリーアンリミテッド」を一部地域で始めており、同年末で約1600店舗が対応しているが、同サービスの会員はエクスプレスデリバリーを1回当たり10ドルの配達料で利用できる。
ウォルマートは注文した商品を店舗で受け取る「グロサリー・ピックアップ」と、利用者の自宅まで届ける「グロサリー・デリバリー」を展開しており、商品は「パーソナルショッパー」と呼ばれる担当者が、店舗在庫からピッキングする。現在約7万4000人のパーソナルショッパーがおり、その一部をエクスプレスデリバリー専任とする。店舗から利用者宅までの配送は、外部の業者が担う。