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アマゾンの料理宅配サービス「デリバルー」の出資、英当局が暫定承認

アマゾンの料理宅配サービス「デリバルー」の配達員
デリバルーは、ファーストフード店などを中心に約8万店の飲食店とパートナーシップを結び、注文を受けた料理の宅配サービスを行っている。


 英国の競争・市場庁(CMA)は4月17日、米アマゾン・ドット・コムの英料理宅配サービス「デリバルー」(Deliveroo)への出資を暫定的に認めると発表した。CMAはアマゾンの出資が英国の料理宅配サービスの競争を妨げる可能性があると考え、調査を進めていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりデリバルーの経営が深刻な打撃を受けているため、容認する方向に転じた。

 アマゾンは2019年5月、投資会社などと共同でデリバルーに5億7500万ドル(約620億円)を出資すると発表した。アマゾンは投資を主導するリードインベスターとして、5億ドルを出資すると見られていた。

 英国の料理宅配サービス市場は、ジャストイート(Just Eat)とデリバルー、ウーバーイーツの3強による寡占状況となっている。アマゾンが18年12月、英国での料理宅配サービス「アマゾン・レストラン」から撤退した経緯があり、CMAはデリバルーへの出資がアマゾンによる料理宅配サービスへの再参入の可能性をなくし、競争を妨げる可能性があると考えていた。

 CMAは5月11日まで意見を公募し、6月11日までに最終的な判断を下す。

 デリバルーは2013年に創業したスタートアップ企業で、ファーストフード店などを中心に約8万店の飲食店とパートナーシップを結び、注文を受けた料理の宅配サービスを行っている。19年7月には大手食品スーパーのセインズベリーが店内加工したピザやサラダ、飲料など50品目ほどの商品を宅配する実証実験も始めている。