米買物代行サービス大手のインスタカート(Instacart、カリフォルニア州サンフランシスコ)は3月24日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の急増を受けて、「ショッパー」と呼ばれる買い物代行要員を今後3カ月で新たに30万人採用すると発表した。
政府による外出禁止令などが広がる中で、米国ではEC(インターネット通販)の利用が急増しており、アマゾン・ドット・コムは新たに10万人、ウォルマートは店頭やEC関連業務を含めて新たに15万人を新規雇用することを明らかにしている。インスタカートはこれら大手小売業を大きく上回る規模で、ショッパーの数を増やす。
ショッパーのほとんどはギグワーカー(ネットを通じて単発で仕事を請け負う労働者)で、利用者がインスタカートの専用アプリなどを通じて商品を注文すると、提携先の店舗で商品を購入し、利用者に届ける。インスタカートのショッパーの数は現在13万〜14万人程度と推定されており、30万人を新たに採用するとショッパーの数は一気に3倍以上になる。
インスタカートは、米スーパーマーケット(SM)大手のクローガーやパブリックス、アルバートソンズ、食品ディスカウントストアのアルディ、カナダのSM大手ロブローなど北米の350社を超える小売業と提携している。
2020年1月には、注文した商品をインスタカートの提携先店舗で受け取ることができるサービス「インスタカート・ピックアップ」を全ての提携先で利用できるようになった。また、3月からはショッパーが商品を玄関先に置き、利用者がショッパーと直接接触せずに商品を受け取ることができる「リーブ・アット・マイ・ドア・デリバリー」も北米全域で導入した。