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米アルバートソンズ、証券取引委員会に上場申請、スーパーマーケット業界2位

米アルバートソンズ、証券取引委員会に上場申請、スーパーマーケット業界2位
既存店売上高が8四半期連続でプラスとなるなど、業績は回復している

 米スーパーマーケット(SM)業界2位のアルバートソンズ(アイダホ州)は3月6日、米証券取引委員会(SEC)に株式公開に向けた準備書類を提出した。ニューヨーク証券取引所への上場を目指す。

 同社は1939年創業で、業界大手の一角を占めていたが業績不振から2005年に店舗を分割売却。サーベラス・キャピタル・マネジメントを中心とする投資家グループや食品卸のスーパーバリュなどが買い取った。その後、13年にサーベラスなど投資家グループがスーパーバリュからアルバートソンズの877店舗を33億ドルで取得。さらに、15年には当時業界2位だったセーフウェイを統合し、店舗数を約2400店舗に拡大した。

 アルバートソンズは現在も投資家グループの傘下にあるが、SECに提出した書類によれば業績は回復傾向にある。不採算店舗の閉鎖で店舗数は2260店舗に減少しているが、2019年9〜11月期の既存店売上高は前年同期比2.7%増となり、8四半期連続でプラスとなった。

 18年2月期の売上高は前期比1.0%増の605億ドルで、営業損益は17年2月期の5700万ドルの赤字から7億8800万ドルの黒字に転換。純利益は約2.8倍の1億3100万ドルだった。

 18年2月期以降、700店舗の改装を実施。生鮮食品やベーカリー、総菜などのカテゴリーを強化。また、粗利益率の高いプライベートブランド(PB)商品の販売拡大も進めており、PB商品の売上構成比は19年9〜11月期で25.6%にまで高まった。

 一方、同社はEC(インターネット通販)事業の強化にも注力しており、注文した商品を店頭で受け渡す「ドライブアップ&ゴー」を約550店舗で実施。ギグワーカー(ネットを通じて単発で仕事を請け負う労働者)を使った買物代行のインスタカートや出前代行のウーバー・イーツなどとも連携し、EC商品の宅配サービスを約2000店舗で行っている。

 19年4月にはペプシコ出身のビベック・サンカラン氏が社長兼CEO(最高経営責任者)に就任。マイクロソフトやアマゾンに勤務経験があるクリス・ラップ氏をスカウトし、上級執行役員兼チーフカスタマーオフィサー兼デジタルオフィサーに任命するなど、経営人材の充実も図っている。