[3日 ロイター] – 米供給管理協会(ISM)が3日公表した2019年12月の製造業景気指数は47.2と、11月の48.1から低下し、09年6月以来10年半ぶりの低水準をつけた。市場は49.0まで改善すると予想していた。
指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。
製造業は19年下半期の大半にわたり下押し圧力を受けていた。米中の関税の応酬により2大経済国を行き来するモノの流れが減り、世界経済が鈍化した。両国は12月、「第1段階」の合意に至ったと発表し、当面は緊張が和らいだもようだ。トランプ米大統領は今週、合意文書を米国ワシントンで15日に署名すると表明した。合意によって製造業が持ち直すことが期待されていたが、妥結の時期からして12月の指数にこうした効果は現れなかった。
ISM製造業調査責任者のティモシー・フィオーレ氏は声明で「世界貿易は引き続き各業界にとって最大の関心事だが、米中の第1段階合意を受け、一部の業種で改善も見込まれる」と指摘。また電話会議では、12月の指数が10年半ぶりの低水準を付けたことについて「極めて低い水準に落ち込んでいるわけではなく、やや縮小からやや拡大の範囲内にとどまっている」という認識を示した。
雇用指数は45.1と、11月の46.6から低下し、16年1月以来の低水準だった。新規受注指数は46.8と、11月の47.2から低下し、09年4月以来の低水準。
一方、価格指数は51.7と、11月の46.7から上昇し、5月以来初めて50を超えた。