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アリババが香港への重複上場を計画、最大200億ドル規模=関係筋

アリババ・グループのロゴ。天津で16日撮影
5月28日、中国電子商取引大手アリババ・グループは、香港への重複上場を通じた最大200億ドルの調達を検討している。写真は同グループのロゴ。天津で16日撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

[香港 28日 ロイター] – 中国電子商取引大手アリババ・グループは、香港への重複上場を通じた最大200億ドルの調達を検討している。3人の関係筋がロイターに明らかにした。

2014年の米市場での新規株式公開(IPO)は250億ドル規模で史上最大だった。

中国の経済成長が減速しているほか、米国との通商摩擦が激化する中国がテクノロジー産業の強化を図る中、アリババは投資継続に必要な資金を得ることになる。

関係筋によると、アリババは金融アドバイザーと重複上場について協力しており、早ければ2019年下半期に香港上場を申請する方針だという。

ただ、最終的な調達規模などの詳細は不明で、1人の関係筋は100億─150億ドルになる可能性が高いとの見方を示した。

リフィニティブのデータによると、調達額が200億ドルとなった場合、株式の追加売却としてはNTTの1987年の368億ドル、危機時の英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の244億ドル、ロイズ・バンキング・グループの225億ドル、米保険大手AIGの2012年の207億ドルに次ぐ大きさとなる。

アリババの広報担当者はコメントを避けた。

アリババに28.8%出資している最大株主のソフトバンクグループは現時点で取材に応じていない。

香港を拠点とする、あるアナリストはアリババは現金を必要としていないものの、香港市場への重複上場はアジアの銀行融資の利用拡大につながる可能性があると指摘。「中国投資家へのアクセスが拡大する。中国の投資家は海外投資家よりもアリババについて強気かもしれない」と語った。

アリババは米国上場以来、時価総額が約2倍の4000億ドル超となり、中国企業として最大の上場会社となった。

アリババの最初の上場先として候補となっていた香港は、取締役会の過半の任命権を幹部グループの管理下に置く同社の統治構造を受け入れなかった。

香港がデュアル・クラス株式の上場を容認する準備を進めていた昨年初め、アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は香港取引所への上場を「真剣に検討する」と表明した経緯がある。

香港取引所の広報担当者はアリババの香港重複上場の報道についてコメントを控えた。

アリババの重複上場検討のニュースはブルームバーグが最初に報じた。