日本百貨店協会が発表した全国百貨店の9月の売上高は、既存店ベースで前年同月比4.3%減と、2カ月連続のマイナスだった。緊急事態宣言とまん延防止等重点措置による外出自粛で客数が12.2%減少した。
感染者数が減少するにつれ、中旬以降は一部回復傾向も見られた。地区別では10大都市が3.5%減、その他の地方が6.2%減だったが、東京(0.7%増)と中部(5.7%増)の2地区は前年をクリアした。
商品別では、食料品が1.0%の微減と健闘した。物産展などの催事のほか、菓子(0.9%増)と総菜(3.5%増)が好調だった。また、富裕層を中心にラグジュアリーブランドや時計、宝飾品など高額品へのニーズは強く、美術・宝飾・貴金属は1.0%増と8カ月連続で前年実績を上回った。
売り上げ全体の4分の1強を占める衣料品は、ビジネス関連が厳しく5.6%減、家具・家電などの家庭用品は12.5%減だった。
なお、消費増税前の駆け込み需要があった19年9月との比較では、売上高は36.4%減、客数は38.6%減だった。