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景気判断、10月は据え置き 輸出を下方修正=月例経済報告

都内の港
10月15日、政府は月例経済報告で10月の景気の総括判断を「持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっている」とし、先月から判断を据え置いた。都内の港で2017年撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 15日 ロイター] – 政府は15日、月例経済報告で10月の景気の総括判断を「持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっている」とし、先月から判断を据え置いた。

サプライチェーンの影響を受けた輸出の判断を引き下げたが、景気全体の見方は維持した。

項目別でみると、輸出はコロナ前の水準を回復したが、自動車の弱さなどもあり「増勢は鈍化している」とし7か月ぶりに下方修正した。アジア向けの自動車関連財や情報関連財が減少していることなどが要因。

半導体不足や東南アジアでの感染拡大でサプライチェーンに支障が出ており、その影響が輸出にも確認されたため判断を引き下げた。ただ、内閣府の担当者は、経済の背景にある動きは先月から変わっていないとした。

国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費については「弱い動きとなっている」とし、先月から判断を据え置いたが、10月の緊急事態宣言解除後には「外食の支出に上向きの動き」がみられるとし、明るい兆しもうかがえる。一方で、新車販売台数については、供給面の影響により減少しているとの判断を示した。

公共投資は、「高水準にあるものの、このところ弱含んでいる」とし6カ月ぶりに下方修正した。内閣府は、背景の一つとして、東日本大震災の復興に関する公共事業関連予算が、2020年度から21年度にかけて減少しており、公共事業の出来高をみると東日本中心に前年比でマイナスになる動きがあることを挙げた。

景気の先行きについては、「持ち直していくことが期待される」との見解を示した。一方で、サプライチェーンを通じた影響による下振れリスクに注意する必要があるとした。また、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動などの影響を注視することも明記した。