[4日 ロイター] – 米配車大手ウーバー・テクノロジーズが4日発表した第2・四半期決算は赤字幅が拡大した。配車および料理宅配事業は底堅く推移したものの、運転手向け奨励金が収益を圧迫した。
引け後の時間外取引で株価は5%下落した。
調整後の利払い・税・償却前損益(EBITDA)は5億0900万ドルの赤字。赤字幅は前四半期から約1億5000万ドル拡大した。リフィニティブのまとめたアナリスト予想は約3億2450万ドルの赤字だった。
年末までにEBITDAの黒字化を目指す目標は堅持し、第3・四半期には赤字幅を1億ドルまで削減する見通しとした。
ウーバーは、新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大に伴う先行き不透明感についても警告した。
ただ、ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け決算説明会で、配車事業が低迷しても料理宅配事業がヘッジになる可能性があると指摘。また、7月には今年下期に関する同社の自信を裏付ける傾向が見られたと述べた。
第2・四半期の予約総額は約220億ドルで過去最高を記録。配車サービスの乗客が回復したほか、料理宅配の注文も増えた。
それでもアナリストからは、運転手の確保や新型コロナの影響について質問が相次いだ。
配車業界は需要増加に伴い運転手不足に陥っており、投資家にとっても懸念材料となっている。ウーバーの同業、リフトは3日、運転手不足は第3・四半期も続き、奨励金への追加投資が必要になるとしていた。
ウーバーは、7月に乗客の増加が加速したとし、この傾向は堅調な料理宅配注文と共に今後数カ月続くとの見方を示した。
月間アクティブ運転手・宅配要員は2月から7月までに約42万人増加した。
第2・四半期に運転手向け奨励金制度に投じた額は2億5000万ドル。ウーバーは、米国とカナダで運転手への投資が減っていくにつれて「モビリティー」事業の収益は大幅に改善するとした。
第2・四半期の総コスト・経費は前年同期比57%増の51億2000万ドルとなった。
最終損益は、中国配車大手の滴滴出行(ディディ)や自動運転を手掛ける米オーロラへの投資に絡む利益が寄与して11億ドルの黒字となった。
これらの投資についてウーバーの幹部は、規制上の制限がなくなり、妥当な価格が得られれば、一部売却する可能性があると述べた。