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5月ロイター企業調査:ワクチン遅れで事業に影響懸念、補正予算で普及促進を

都心の風景
5月のロイター企業調査によると、日本の新型コロナワクチン接種が遅れていることにより、事業への影響を懸念する企業が3分の2に上った。人々の行動に制限が掛かり続ける中、国内消費活動の停滞や海外との往来などの悪影響が予想される。都内で2019年6月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 21日 ロイター] – 5月のロイター企業調査によると、日本の新型コロナワクチン接種が遅れていることにより、事業への影響を懸念する企業が3分の2に上った。人々の行動に制限が掛かり続ける中、国内消費活動の停滞や海外との往来などの悪影響が予想される。企業からは、2021年度の補正予算編成により、ワクチンの普及促進を求める声が出ている。

調査期間は5月6日から17日まで。発送社数は482社、回答社数は229社程度だった。

日本のワクチン接種の遅れにより、事業に対し「影響がある」が28%、「今後出てくると思われる」が38%となり、影響を懸念する企業は合わせて66%となった。影響については「国内消費活動の停滞」が70%、「海外への出張・来日の停滞」38%、「生産・物流への影響」32%と続いた。

2021年1―3月期実質国内総生産(GDP)1次速報は前期比1.3%減、年率換算で5.1%減となった。1月の緊急事態宣言発令の影響が出た格好だが、足元では再度、緊急事態宣言が発令されており、4―6月期のGDPにも下押し圧力がかかる。

ワクチン接種が進まない中では、感染拡大・緊急事態宣言を繰り返し、経済回復の遅れにつながる。小売業や外食など人出減少により影響を受ける業種のほか、「顧客の設備投資計画や商談の進展に一部遅れが発生している」(機械)、「海外拠点生産へのサポートは、リモートでは限界がある」(輸送用機器)など、対面でのビジネスが制限されていることによる影響を指摘する声もあった。

一方で、鉄鋼・非鉄や電機、情報サービス・情報通信は「影響ない」との回答が5割を超えた。

コロナ対策で21年度補正予算編成は「必要」と答えた企業は84%となった。規模は「5兆円未満」が23%、「5―10兆円」が37%、「10―15兆円」が20%で、ワクチンの普及強化や医療体制の整備を求める声が大勢を占めた。このほか、「雇用調整助成金の現行制度での継続を強く望む」(サービス)、「低所得者への一律給付が必須」(輸送用機器)と、事業者・個人に向けた手当を求める声も多くなっている。